骨肉歌謡祭     16日

・・・というなんとも怪しげなタイトルの付いた今日のライブは「独唱パンク」などでもお馴染みのチバ大三の企画で開かれた というわけで出演者も「怪しげな」メンバーだろうか・・・そういう不安、いや期待を受けて始まった今日のライブの最初の出演者はムリンというvo/p ,dsの2人組ユニット ピアノボーカルはペンギンハウスには2度出演したことのあるキノマルヨウコだ あの藤原愛をして「彼女にはかなわない」と言わしめたその演奏は本当に直感と本能だけで演奏してるんじゃないかと思うくらいに自由奔放で閃きに満ちている どこまで計算しているのだろうか・・・いや、一切計算なんかしてないのかもしれないそのパフォーマンスはたとえばピアノを弾くふりをして弾かないなど見ているほうには新鮮な驚きを与える そして、一見めちゃくちゃに弾いてるように見えるピアノから実に鋭い感性の高い音が出てくる 破天荒な天才・・・なのかな 相方のドラムもそのプレイにじつにいい合いの手を入れていた

そして次の登場したのはag/vo ,ag/vo / ,per/choの3人組のホーミータイツだ 一見大人し目なアコースティックユニットかと思ったらさすがこのイベントに出てくるだけあって中々の「曲者」だ その曲にはどこか妙にゆがんだ不思議な触感があり笑いながら聴いていても聴くほうはやがて妙な気分になってくるような・・・穏やかそうな彼らが突然ちらつかせる「殺気」みたいなもののどこまでが冗談なんだろう とにかくすごく上手いのだ 演奏はもう完璧だなあ そして、合間に見せるMCという技もなかなか一筋縄じゃないねえ

その次に登場したモロコシボーイズという2人組のアコースティックユニットはゴム長靴にジャージに麦藁帽というような出で立ちでステージに現れた 京都府北部と秋田県というそれぞれの出身地のお国訛りで喋る2人はいかにも田舎からやってきた兄ちゃん2人という風体だが僕が見る限りそれぞれもう東京暮らしを経験している彼らの「田舎らしさ」は一旦咀嚼して消化してから発酵されたような計算がある・・・こう言うと悪口で言ってるように聞えると思うけどその逆で、田舎らしさというものが持っている脆弱さや幼さをよく吟味した上でちゃんとパフォーマンスとして作り上げる・・・これは聴き手を考えると僕はそのほうがいいと思う その証拠にかなりウケてたよ

そして最後に登場するのはこのイベントの企画者チバ大三のユニット骨肉ビールだ 相方の斉藤睦は以前「独パン」にソロで登場したことがある そしてチバ(vo/b/シンバル)斉藤(vo/g/大太鼓)という2人のサウンドはとにかくヘビーだ 小柄ながらどっしりした中低音域の斉藤にハイトーンのチバのボーカルは愛称がいい 斉藤のギターは恐ろしくボトムの迫力がある・・・そう思ったらなんと5,6弦はベースの弦を張っている この2人の作り出すサウンドは下手なハードロッカーもハードコアパンクバンドも敵わない そこに歌舞伎やアングラ演劇や大衆演劇や・・・わけのわからない色々なもののエッセンスが入り込んだ恐ろしく和風なパンクミュージックになっている その中に消防車(?)のサイレンは鳴るわ、パンダの人形は飛ぶわ・・・本当に60~70年代のアングラ芝居が持っていたごちゃごちゃな面白さが彼らの演奏にはある もうどこまで行くの・・・そう思ってしまうのだ ここは高円寺そしてライブハウスなんだけど 今夜はちょっと別世界かな

高円寺ライブハウス ペンギンハウス

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