僕のポニーが帰ってきた 正確には「僕のポニーにまたがって」というイベントライブがまた復活したのだ
このイベントは数多い個性派が肩をならべるペンギンハウスの中でも異彩を放つユニット「サイトウエレトリコ」が企画して、毎回超個性派の・・・というよりかなり「変な」ユニットばかりが出る面白いライブだったのだが、前回去年の11月30日に「ファイナル」と称して惜しまれつつ3回目で終了したのだ
それが、どういうわけか今回およそ9ヶ月ぶりに別に「リターン」とか「復活」なんて言葉も使わずただ「vol.4」というタイトルだけつけて涼しい顔(笑)で復活した
今日のライブには僕にとってちょっと荷が重い依頼が来ていた というのはこの主催者のサイトウエレトリコが今日のライブを録音したいというのだ それもPAミキサーからレコーダーのそれぞれ別々のチャンネルに送るやりかたなんだが、イコライジングやレベルはこちらの卓で作った音がそのまま送られるのでけっこう責任があるのだ そういうわけで今日はリハも多めにそしてドラムにはマイクを3本立てた
さて、いよいよ本番だ 今日はあまりフェーダーやイコライザーはいじらないようにしてバランスを重視での音作り でも、元々彼ら・・・そうだ今回から サイトウエレトリコグッドサウンド と名前がやけに長くなったがメンバーは一緒だ・・・のサウンドはもうコンビネーションがしっかりしているのであまり苦労はいらないかも そして、今日もあの変態とも言えそうな極端に複雑で奇妙で異常に短い曲が次々に出現してくる 今日は久しぶりということもあって多くのお客さんが詰め掛けて・・・最初からいいムードだ みんなけっこう「変なもの」が好きだねえ
この「僕ポニ」にはひとつの特徴がある それは第一回目からまったく同じ顔ぶれが登場しているということだ
そういうわけで、2番目に登場する F.L.Y もお馴染みのユニットだ ギタリストの山田民族を中心に女性のキーボード奏者とドラマーの3人編成だ 山田の曲はギターも歌もかなり・・・「変」だ
歌はどことなく「フォーク」っぽいところもあるのだが歌われる内容は決してありきたりではない キーボードは主にベースパートを弾く 時折不思議な音がそこから出てくる 小さな楽器をわりと大柄な彼女が抱えて弾いてる姿はなんだか「ラッコ」みたいで可愛いね それにしても気がつけば凄い人数のオーディエンスだ 山田の顔が人垣に完全に埋もれて見える 演奏は一筋縄じゃない・・・かなりプログレッシブなスタイルだ
もちろん3番目も毎回登場しているユニット te_ri だ この2人組のユニット、なんとギターのムラカミは岩手県、ドラムのカタヤマは岡山に現在住んでいる そんなに離れていてなぜ活動ができるかというと「ネット」を使って普段は練習をしているそうだ そういう意味ではいい時代になったね あとでギターのムラカミくんに尋ねたら「さすがに岩手と岡山では0、何秒か時差が出るのでその分ずらして演奏するのでタイヘンなんですよ」・・・ということだ
この2人の演奏はとにかくポリリズムの塊とシンコペーションの嵐・・・そしてとてもネットで練習しているようには思えない恐ろしくタイトな二人の呼吸の合わせ方・・・これはすごい!
決して「爆音」ではないのだがそれらのウェーブがすごい迫力になって押し寄せる 僕も彼らの演奏は大好きだ そして、弾いているときのムラカミのツルのような動き・・・いいねえ
そして、最後はやはりこのイベントの常連 2人組の Living Astro だ この男女のユニットは主に「サンプラー」を使って打ち込みのような音をあえて「手作り」でサウンドメイキングしつつギターとベースを弾くというスタイルだ びっくりするぐらい淡々と曲が披露されてゆく その1曲1曲がまた短いんだ そこらへんもサイトウエレトリコ・・・グッドサウンドか・・・にも似ているところがある
一見全部「打ち込み」に聴こえる音をわざとアナログ的作業で作り出す・・・これってけっこう大変だと思うんだけど・・・よくやるよねえ やっぱり彼らも「変」なのかなあ
久しぶりの「僕のポニーにまたがって」・・・次回は1年後くらいらしいけど・・・ぜひまたやって欲しいね
高円寺ライブハウス ペンギンハウス