なんて夜     28日

いやいや・・・恐ろしい顔ぶれが並んでしまったなあ(笑)

今日は濃いっぞお~ ヘビーだっぞお~ それだけ脅しといてなんだけど・・・

最初の演奏者は 山田宏樹 彼は「まとも」です・・・て言うのも変だよなあ これだけ”異様な”出演者が揃うとむしろ山田くんがちょっと浮いて見えてしまうから恐ろしい

いやあ、だからこそ彼のすごくきっちりとバランスの取れた歌とギターって貴重なんだよなあ 最近彼のSouthern Jumboがいい音してるんだよなあ・・・いい演奏だなあ~

2番目は初登場 関西からツアーでやってきたアコースティックユニット 生き仏 だ

事前情報で「お笑い」みたいな・・・という話を聞いていたがいざ演奏が始まるとそれはまるで昔の「アングラ演劇」のようなトラップとダークネスを充満させたようなシュールでエキセントリックで「一筋縄」じゃない 曲もだが、ほぼ半分を占めていた「演劇」のようなパフォーマンス・・・客席までを巻き込んで一種の”パニック”に近い状態を引き起そうと企む彼ら・・・う~ん、只者じゃない!

それを迎え撃つべくペンギンハウスが放った刺客・・・ではないけど(笑) その”資格”充分な出演者 それは やっぱり ペガサス だ

このフロント二人の驚愕的なハ-モニーから生み出されるなんとも不思議な”不吉”な匂い・・・本当に彼らの創り出す世界は”誰にもできない”ダークネスをやはり用意しているのだ

そして今回ちょっと違うなと感じたのは、バンドサウンドが今までよりかなり”でかく”なっていたこと・・・これはやはり「予言」みたいなものなのかなあ・・・

それだけ強烈で個性の強い演奏者が並んだあとに出てくる・・・藤原愛 なのだ

今日は演奏開始からノンストップで曲が続く・・・”ぴん”と張り詰めた空気がずうっとペンギンハウスを満たす 今日の彼女はなんか特別な思いがあったのかな・・・そして何やら「歌詞カード」のようなものを見ながら歌い始めた曲・・・新曲だそうだ いい曲だった その緊張感のバトンをそのままピアノに残して・・・

そのバトンを拾ったのかどうかはわからない ピアノの前に座った 石田幹雄 は完璧な”孤独”を張り巡らす それは彼とピアノ・・・いや、その「奥」にある何か・・・それが何なのかはまだ誰にもわからないのだが・・・それに向かって烈しくものすごいスピードとしなやかさで突っ込んでゆく

そこから出てくるのはもう「ジャズ」とか「音楽」という壁さえいとも容易く打ち抜いてしまうような烈しくそして「優しい」ものなのだ

それが何なのか・・・見届けずにはおれないのは客席の全員・・・そして僕もだ

演奏が終わる・・・まるで夢が醒めるように・・・するとそこにはいつもの穏やかでちょっとシャイな石田幹雄がいる 外してあったピアノの前板を自分で戻そうとしている

「幹雄さん、いいからいいから」慌てて僕がステージに向かう さっきとはまるで違う 柔和な笑顔で彼が応える・・・「いやいや」

高円寺ライブハウス ペンギンハウス

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