雨宿りでも   12日

雨になった 昼ごろはまだ少し陽射しもあっていいお天気だったのに 僕は知らなかったが一時はかなりの豪雨だったみたいだね 休み明けはちょっと忙しい 溜まってたメイルのチエックやホームページのほったらかしにしてあった2日分の書き込みをしたり 休みの間に眠らせていた機材のご機嫌をうかがったり そして、いつものようにリハがあり そしてライブが始まる 毎日の作業がまた始まる
今日のライブは弾き語りから始まった ペンギンでも今けっこう注目を集めてる若手のシンガー松浦健太の登場だ いつものようにTAYLORのアコギを軽やかに鳴らしながら彼の歌世界を広げてゆく 今日も歌ってたあの歌・・・「それはいつか 約束された 3月の昼下がり 港町の風に誘われ 彼女はやってくる ワンピースの裾を掴んで 堤防をひと跨ぎ・・・」聞き取りなので間違ってるかもしれないけど僕が好きな「She is coming back」という歌の歌い出しだ 最初はただのラブソングかと思ってしまったが、やがてそこに込められた恐ろしさに気が付く 彼の作品のなかでも特に光を放っている それにしても「サマーソニック」のオーデイションに落ちて悔しそうだったな~
2番目の出演者は宮崎悟 彼も弾き語りだ 前にやった松浦がけっこうリズミックな曲中心なのに比べるとスロウで静か目な曲が多い彼 歌い方も妙にゆったりとしたひょうひょうとしたスタイルで独自の世界を作り出す その控えめに歌われる歌の詩もよく聴くとなかなか面白い 「キッチンソングライターの歌は 美味しそうな湯気を立て・・・」彼の歌世界そのままな詞だ それにしても曲の合間の彼のMCは歌よりさらにひょうひょうとしてマイペースで面白い けっこう客席の笑いを誘っていた 僕はふと亡くなった高田渡を思い出していた 宮崎悟 いつまでもこのマイペースを大切にね
3番目もソロ弾き語りだが、いつもはTHE IGNORANTSというバンドでぎんぎんのロックをやっている上村秀右が今回はギター1本で登場 GUILDのフルアコを抱えちょっと緊張しながら演奏がスタートした いつものバンドとは勝手が違うのか最初は少しぎこちなかったかな でもボトルネックでストーンズの「Love in vain」をやるとすっかりペースを取り戻しいつものSHYOOの舞台になってきた 彼自身が関わっている障害者のことを歌った「同じような」という曲はすごくよかったな 彼の優しさがあふれ出ていた 後半は彼の友人でシンガーの寺尾マキが加わり、二人での演奏 最後にやったレイチャールズの曲 よかったよ~
そして今日最後だけはバンド、それも京都からやってきたオーラスという3人組のユニットの登場 このバンドがめちゃくちゃ良かった とにかく上手い!楽器演奏もなのだがこのバンドの特色はとにかく3人のコーラス それもただきれいに合わせるというのじゃなくて何というか3人の声がそれぞれ楽器のように複雑に絡み合ったり時にはぶつかったり非常に複雑な構成の難しい曲の中でさらに複雑で高度なハーモニーや掛け合いをつくりだす 今まで見た色々なバンドと違ってコーラスがメイン楽器というとても不思議なバンド あえて例えれば「クイーン」とか「フランク・ザッパ」がやってたことにちょっと近いかなあ 時にそのボイスの絡み方が邦楽の「うたい」のようにも聞こえたりして・・・いやあ、本当に面白いバンドだった ペンギンは2回目だというがまた東京に来たらまたぜひ出て欲しいなあ
ところで、さっき「ペンギンハウス」のツイッターをチエックしてたら面白い書き込みを発見した 最初何?と思ったのだが、その書き込みを遡って読んでみてわかった どうもあの大雨のとき雨宿りでペンギンの軒下に居た誰かがこのライブを外で聞いてたらしい そんなこともあるんだねえ それもいいと思うよ でもね、その書き込みでひとつ気に入らなかった文面があった その人いわく「スタッフ拍手(めちゃ鳴りのいい拍手) だけがきこえる・・・」いえいえ それは違うよ あれは全部聴いてたお客さんのものなんだ

・・・そして高円寺ライブハウスの夜はふけていった・・・

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