CD制作裏話  14

今回のCD制作にはミュージシャンだけでなくさまざまな人たちの協力や参加がとても重要だった 032

まずは録音やさまざまな作業のためにペンギンハウスを早めに閉店したりして協力してくれたペンギンハウスマスターの亜郎氏にはあらためてお礼を言いたい。今回出来上がったこのアルバムをほかの誰よりも亜郎マスターが気に入ってくれたのが僕はとても嬉しかった

さて、録音作業も着々と進んでいた4月のある日、この日は昼間の開店前に修子と何人かのメンバーがここペンギンハウスに集まっていた。この日は今回のアルバムのジャケットに使う写真の撮影が行われたのだ。

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集まったメンバーはメイクアップアーティストでいつも修子のライブのときにメイクを担当してくれているイトウちゃん、それにカメラマンとして参加したのは今回のアルバム全体のデザインも任されているヤマノくん・・・そうしてもう一人、修子のヘアカットデザインを担当してくれているカサイくん・・・以上3人だ

先に修子とイトウ、ヤマノの3名が現場に到着してメイク、衣装合わせそしてカメラアングルなどのチェックを念入りに行っていた。そこへ少し遅れてカサイくんがやって来た。

「いやあ、どうも先日はお疲れ様!」そう笑顔で彼に声をかけた僕は一瞬 ぎょっとした。046

”先日”というのはその二日前、吉祥寺のライブハウス「BLACK&BLUE」にモンスターロシモフのライブを観に行った時彼も居て当日脚を骨折していたにもかかわらず自ら「ロシモフの東京親衛隊長」と自認そして公認されてる彼がもうそれはゴキゲンに大騒ぎしていたのだ。それにいつも僕らのライブにも必ず駆けつけて誰よりも陽気に盛り上げてくれる彼・・・ところが

その日のカサイ君の顔にはまったく笑顔がなかった。むしろ恐い顔をしている・・・何があったのだろう・・・そして僕は気がついた。「そうか、彼は今日は”仕事”をしに来たのだ」と

そこからはまさに修羅場のような光景が僕の目の前に広がった。3人の「プロ」がそれぞれの腕と美意識とプライドをかけて・・・それは僕ら音屋が「いい音を残したい」というのとまったく同じような思いだったのだと思う。

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現場にはまるで火花が飛び散ってるようだった。「修子さん、今度はこっちのほうを向いて目線はこちら、ギターはこう構えて」とヤマノくん。「あ、ちょっと待ってそこのところメイクをちょっと・・・」とイトウちゃん。「いや、そこのところはそうじゃなくてこういう角度のほうがいい」とカサイくん・・・誰一人として一切妥協しないし一歩も退かない

その真ん中でまるでお人形さんのように言われるまま動いている修子・・・

あとで彼女が言う「なんだか言われるままに動いてたら何が何だかわからなくなった、ただあの3人の気迫はただ事じゃないという気がした・・・あたしゃ疲れたよ(笑)」

その結果はぜひ皆さん実物を手にとって確認してほしい。ここにも素晴らしいプロフェッショナルた001ちの愛ある仕事の結晶がある

高円寺ライブハウス ペンギンハウス

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