闇の向こうから    14日

秋晴れの気持ちいい水曜日 高円寺の街はお休みの店も多くてなんとなくまったりとのんびりしたような一日 ペンギンハウスライブはどうだったろう

今日最初の演奏者は 弾き語りの ソラトブ

「弾き語り」と簡単に言うけどこのプレイヤー・・・一筋縄じゃない

ギターにもボーカルにも隅々まで張り巡らされたトリックアートのような仕掛け・・・毎回驚くようなトラップがある彼のステージだが今日はまずマイクにさまざまなエフェクトをかけて(しかもそれ専用のマイク持込だ)そして声だけでなく言葉まで「彼岸」からやってくるようなステージング

そこに今日は幻想的な照明が入ってなおさら幽玄な世界が出来上がる・・・最後は怪しげな「シンセ?」まで使って戦前の歌謡小唄(?)・・・ああ「ツーレロ節」かあ
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2番目はギター弾き語りの おぐまゆき

彼女のトレードマークになっている「9弦ギター」・・・それは12弦ギターの弦を減らしたものだが僕は9弦というとむかしのブルースマン「ビッグ・ジョー・ウィリアムス」を思い浮べる

そういえばおぐまゆきも常に歌いながら旅を続けているようだが、かの伝説のブルースマンも死ぬまでトラベラーだった その旅の記憶が染み付いたような彼女の9弦ギターは乾いてささくれたような音がする それは喉の奥から絞り出すように歌う彼女の歌い方にぴったりだ

いつもその場所で存在していることの痛みを真正面から訴えてくるような彼女の歌には耳を閉ざすほうが難しい
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3番目はやはり女性のピアノ弾語り たけもとまりこ

今日はいきなり1曲目に「ナイトクロール」というキラーチューンを持ってきた こりゃあ今日はやる気充分だな

そして歌い終わるとピアノは聞き覚えのあるメロディーを奏で出した そして歌ってくれた「ハッピーバースデイ」 それは今月満31歳を迎えるペンギンハウスに対してだった ありがとう!

そしてなんと昨日が彼女の誕生日だったそうだ おめでとう! ・・・それで何歳になったかって?

それは秘密! そして彼女の今日最後の曲は名曲「桜々」 最後のほうで手話の振り付けが入るこの曲・・・なんか切ないなあ もうすぐ秋も終りそうな気配だしねえ
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そして今日最後の演奏者は 山田庵巳

元々は彼が最近結成したユニット「フレデリック書院」での出演予定だったのだが、ベースの福沢が出られなくなったので久しぶりの山田庵巳名義での出演となった

ただし、フレデリックにセミレギュラーで参加している「クラモトキョウコ」がアコーディオンで参加

そして庵巳は久しぶりにあのおなじみの8弦ギターでの演奏 曲もフレデリックではやらない庵巳のオリジナル「機械仕掛乃宇宙」が久々に登場 そこにクラモトのアコーディオンが絶妙な絡みで膨らみをつけてゆく

物語り性のあるその演奏はステージ全体がひとつのストーリーになっているという独特のスタイルを持っている 僕はすっかりそれに慣れてしまっていたが、今日初めて彼らの演奏を見ていたある人が僕にこう言った 「すごいですねえ~これ!」
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高円寺ライブハウス ペンギンハウス

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