さて、3連休明けの今日13日 ペンギンハウスには5組の出演者が登場した
最初の演奏者は ジョコンダの憂鬱
「東京セッション」や「ジ・アナトミアズ」などと親交のあるこのギタリスト 限 りなく暗くて深い淵の中をゆったりと沈んでいくかと思うと突然の激流そして唐突に現れる瀧のようにギターの音が変わってゆく 前回の演奏では「都市」をテーマに演奏した彼は今日は「高円寺」をテーマに演奏するという そう言われてその演奏を聴いていると色々なイメージが勝手に浮かんできた
やせっぽちな街が今日はなんだかふっくらとしているようだ 「バラバラに飛び散ったネックレスのピース」「線路をきしませながら入ってくる最終電車」「突然の救急車のサイレン」などなど・・・
混沌と不条理・・・そんな街はもうとっぷりと暮れている
2番目の演奏者は藤原愛
いつものように暗闇から切り取ってきたような真っ黒の着物を羽織りピアノの前に座ると白湯をすする 最初の曲・・・歌詞の中に「私」を「わたし」ではなく「わたくし」と発する・・・いかにも彼女らしい
2曲目はおなじみの「ヨッパライ帰り道」 最近は地味KENもカバー・・・ただしインストだけど・・・している 本当に”白線”越えなくてほっとしているのは彼だけではない
ペンギンハウスの31周年にひっかけて「時間」というものについて語る彼女・・・「時間の長さについて人はそれぞれ感覚が違う」そんな話をしていた
そして「君が代」・・・これははずせない曲だよなあ
3番目は 東京セッション
ホシカワとマツイ このアコースティックユニットの創り出す世界は驚きの連続だ アコース ティックギターから出てくるとは思えな い その破壊的でもある烈しいフレーズはあらゆるジャンルを笑い飛ばす 緑色の闇の中から次第に浮き上がるように始まった演奏はいつしか祭のお囃子みたいになってなりいつの間にか「じょんから節」みたいになりそして8ビートに変わってゆく
今日の彼らはちょっとストーンズみたいな演奏・・・そこに色々なロックの演奏が散りばめられている
今日も激烈でホットな演奏・・・途中で謎の金髪の人物も乱入・・・今日も何が出るかわからない東京セッションだった
4番目に登場したのはインストユニットDBS3のメンバーでギタリストの ハラ☆タカシ
ソロでインプロのギター演奏だ 前の東京セッションに相当刺激を受けたそうで、それもあってか今日の最初の2曲のタイトルは野球ネタだった ループさせた音を幾重にも重ねたその上にとてつもなくひしゃげたようなギターが絶叫する
その先にはもう地球上には有り得ないような音が出てくる 今日も僕らはとんでもなく異次元に居るようだ そして最後の曲はちょっとメロウなジャジーな曲だったが、タイトルは「T.T.P」
そして今日の最後の演奏者は Tatsya Inagaki
僕は久しぶりだ というのも前回の彼の出演のときに僕が入院していたから
今日の彼はソフト帽に真っ黒のサングラス・・・ちょっと「ブルースブラザーズ」みたい
そしてステージより前に出て客席最前列に座るといつものようにノーマイクで歌う
その声は澄んでいて力強い 彼がリスペクトするピート・シーガーのように そしてそのシーガーの姿勢も受け継ぐ彼の歌はつねにこの世の中の正しくないものに鋭く向けられている
どうすればこの世からすべての戦争が無くせるか・・・そういうことを真剣に考え続けている彼の歌はいつも真っ直ぐで力が溢れている 久しぶりに聴いて僕も元気もらったよ
高円寺ライブハウス ペンギンハウス