秀句#03

警備棒の赤のチカチカ虫の声  という誰かの句。

工事現場が脇道にある。

各所各所で警備棒が働いて、人を誘導している。

いや今夜はやけに、その点滅の赤が気になる。

私の心の闇を照らしているかのようだ。

ふと、路地を曲がると虫の声が、しかもかぼそく聴こえる。

もう秋も終わり。

すぐそこに冬が待っている。

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