僕の八ヶ岳話 56

そうこうあれこれ探しているうちにあるひとつの求人に目が止まった それは甲府市内にあるある清掃会社だった その回者の名前はたまに県内のテレビCMでも流れていたのでなんとなく知っていた 業務内容を見ると「ビルや店舗などの清掃作業、その他」とあった
あ、これなんかいいかも・・・そう思った なんとなく自由が利く職種っぽかったし、僕はやったことの無い仕事にけっこう興味があったのだ とにかく工場はゴメンだった

そこでその求人票をもって受付まで行きまずまだ求人をしてるか訊いてもらった するとまだ求人しており、良かったら今からでも面接に来てほしいということだった それでその係りの人から先方に住所と大体の道順、それにむこうの担当者の名前を教わり僕はその会社に向かった

その会社は職安からちょうど甲府駅を挟んで反対側、車で20分ほどのところにあった 着いてみてちょっと驚いた テレビでCMを流してるくらいだからきっと大きなビルか何かと思っていた ところがあまり広くない県道に面したその「本社」は鉄筋コンクリート造りではあったが二階建てのびっくりするぐらい小さな建物だった まあ別に建物はどうでも良かったのでとにかく中へ入った 受付で用件を伝えると奥の応接室へ通され、そこで待っているとやがて1人の初老の穏やかそうな男性がやってきた まずは挨拶をし、職安からの紹介状と自分の履歴書を渡した この初老の男性はこの会社の専務だった 僕の履歴書と僕の顔を交互に見ながら彼はぽつりぽつりとその回者がどういう仕事をしていてどんな現場を持っているかといったことを説明してくれた その間も履歴書と僕の顔を交互に見るという作業が続く

やがて・・・少し考え込むような素振りのあと彼は僕に向かってこう言った
「あなたは今まで色々なお仕事を経験してきたみたいですけど、たとえばサービス業なんてやれる自信はありますか?」
サービス業といえば僕は東京で「猫屋敷」「ペンギンハウス」とずうっとお客相手の仕事をやっていたし、そのあとの警備会社での仕事だってある意味サービス業だった そこでこう応えた
「ええサービス業はけっこう得意ですよ」
すると彼はある決意をしたようでこう口を開いた
「じゃあ・・・」
そこで意外な展開がおきた

高円寺ライブハウス ペンギンハウス出演するには?

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