酔い夜だ      9日

さあて、困ったぞ 今日の出演者の顔ぶれと順番を見て僕はちょっと頭を抱えてしまいそうになった それぞれが編成もスタイルもかなり違う それにまったく初めてで何をするのかよくわからない出演者もいる・・・こういう日はいかに「気持ちよく」仕事ができるか・・・それだけが課題だ

しかし、フタを開けてみたら・・・いやあ 楽しかった 「酔い」はたこボーのフレーズをいただいたのだが・・・

最初の演奏者はペンギンハウスへは2度目の登場 それも前回は去年の12月だからずいぶんと久しぶりの2人組ユニット 弱者同盟 だ 彼らはギター&ボーカルを担当の男性とサンプラーを操る女性という組み合わせ 曲はけっこうポップなカンジもあって親しみ易くダンサブルでそこにデジタル機器をまるでアナログのように操作するというけっこう異色なスタイルなんだけどこのコンビネーションがすごく良くて前回僕はとても気に入ってしまったのだ ただ、不思議だったのはそのサンプラー担当の女性がかなりの美女なのに本番ではなぜか「スターウォーズ」みたいなフルフェイスのマスクを被って顔を隠していたことで、僕は「勿体無い」と確か言ったはずだ

その僕の思いが通じたのか(笑)なんと今は顔を出して演奏しているという やったね!

そのダフト(これは「ダフトパンク」というそういう覆面をしてやるスタイルがあるそうだ)がデスクに並べて操作するサンプラーは2台 僕には到底操作できそうもない(きっと事務処理能力みたいな才能が必要だと思う)その演奏がボーカルといい感じで絡むのは前回と同じ ただ今回は彼女もボーカルやMCに加わってそのなんかゆるゆるな2人のMCやり取りが楽しかったな いいサウンドだった

そして2番目はペンギンハウス初登場の女性弾き語りシンガー アオゾラパニック 実は彼女はマスター亜郎の主催する俳句の会のメンバーでもありお顔は知ってたが演奏は当日の今日聞くのははじめて その不思議な雰囲気にちょっと???という印象があったのだが・・・

本番が始まった 歌いだした その彼女が出すなんだかとてつもない「存在感」に圧倒された

失礼だが歌が上手いわけでも声がいいわけでもない ギターも上手いとはいえない・・・なのにこの「そこに今居る」という実在感が途方もなく強いのだ ちょっとパンキッシュでもあるのだけど、独特の世界を持ったシンガーだ 聴きながらなぜか高円寺のライブハウスなのに「パティー・スミス」を初めて聴いた時を思い出していた・・・似てる・・・というのじゃないのだけど

3番目はがらっと雰囲気が変る 深尾公章with Lovin’cupの登場だ g/vo ,g ,b ,ds ,tbという今日の中では異色の大編成 彼らの演奏の実力もすごいしそれだけPAに対する注文もかなり細かくけっこう大変なのだ でも、いつもそうなんだが彼らのライブのPAは楽しいのだ とくにボーカルの深尾は上手いし声はいいし存在感がある バックも全員すごい 特にギターのフジタ、トロンボーンのミヌマ・・・いい音出すよなあ フジタのギターに関してはPAは何もやることがない バッキングとリードのときのボリュームコントロールはもうカンペキだ! そして、今日は珍しく深尾のピアノ弾き語りもあったり・・・いつもゼイタクなサウンドだけの今日はなんか「夏」だったなあ それにある曲の前にMCで深尾が今の政治について話した言葉 あ、意外と硬派なんだなあ へえ~

そして最後はこの2人だ にっちとぼっつ ひひひのひこと北村とリサのユニット 実は今日はちょっとした不安があった リサの体調がこのところずっと良くなくてノドの調子がイマイチという話を聞いていたからだ 実際本番が始まると彼女の声がいつもと比べるとちょっと弱々しい 声というより息が苦しそうだ そこで僕もなるべくPAのほうで彼女の声をバックアップすることにした リバーブで音をなるべく太めに処理してゲインを上げて・・・でも、やがて声が少しずつだがよく出てきはじめた 良かった! 久しぶりに歌ったというのもあったみたいでちょっと「暖機運転」が必要だったみたいだ

北村もすごく気を使いながら演奏している その緊張感がかえって彼らの演奏を一団と高いところへ押し上げたような気がする・・・あれ、これって上から目線か?・・・いやいや 本当に僕もほっとしたとたところだよ いやあ 結果として今日のにっちとぼっつはよかったなあ いい夜だった

高円寺ライブハウス ペンギンハウス

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