白鍵・黒鍵        25日

今日はクリスマス そんな日にちなんで?・・・ペンギンハウスの今日のライブは「鍵盤の描き方」というタイトル 出演者は全員ピアノ弾き・・・しかしそこはペンギンハウス 一筋縄・・・なわけがない!

最初の演奏者はピアノ弾き語りの たけもとまりこ 久しぶり・・・ペンギンハウスはほぼ半年ぶりだった そういえば去年の12月、ちょうど彼女の出演日が僕の誕生日で「ハッピーバースデイ」って歌ってもらったっけ

今日の彼女はトレードマークの紫の着物を羽織って髪飾り そしてあの昔の歌謡曲っぽい歌い方そして艶やかな声が健在・・・いやなんか以前より艶が増してパワフルになっていた いいなあ

ステージングも彼女独特の持って生き方 そしてあの手振り・・・最後の「桜々」という曲では手話が入って・・・ 来年もまた彼女の歌いっぱい聴きたいなあ

2人目の演奏者はやはり弾き語りの Aria だ 普段はギターの弾き語りがメインのシンガーだが今日はピアノでの演奏 するといつもギターで聴いてた曲がずいぶんとテイストが違うものに・・・なんかピアノの音量のせいもあるのか今までよりドラマチックで激情的だ この人の持っている独特なちょっと”迷宮”のような世界がさらにどすーんと奥深くなっているように聴こえた

この人の歌世界にはファンも多い なんとなくクリスマスには関係なさそうで実は一番近いところにあるのかも・・・

3番目はピアノとパーカッションのDUO 照内央晴(p)と松本ちはや(per)のインプロ演奏だった 照内はこのペンギンハウスではお馴染みのピアニスト そして松本は初登場

最初はたおやかで囁くような音から始まりピアノが次々に色彩を変えてゆくにつれ色々な方角から吹いてくる風のように松本のパーカッションが応える 彼女が色々品を変え出してくる楽器がピアノの弦に反響するようにまた照内の演奏もどんどん変化する インプロの面白さってこれだよね

あと彼女の演奏しているときの表情がいい ほとんど”行っちゃってる”目つきがなんだか色っぽい そして素晴らしいパワープレイヤーでもあった

4番目はこの人・・・ピアノだったらそりゃ外せないよね つい先日新作CDを出したばかりのシンガー 藤原愛 だ 今日はそのCDのジャケットに使った原画 田中彰己の絵を壁に貼っての演奏

今日の彼女はなんか気合いが入ってそして引き締った演奏だった これだけ彼女の曲を最近は散々聴いてる僕が聴いても今日の演奏はすごく集中力の詰まったグレードの高さがあった やっぱり今精神的にものってるんだろうねえ それに今日の共演者・・・どれもみんな素晴らしいから

そうそう 藤原愛のペンギンライブも今年は今日が最後 お疲れ様でした

そして5対バンとなった今日のピアノ合戦・・・じゃなかったか ピアノサミットとでも言おうか その最後に登場するのはやはりこの人だった 石田幹雄 11月は忙しくてスケジュールが合わなくて出演していなかったので2ヶ月ぶりの登場だ

いつものようにノーマイクの生音での演奏が始まる 最初はごく静かに穏やかに・・・まるで岩に水が滲みこんでゆくような密やかさで彼の指がそうっと鍵盤に音をしみこませてゆく それが最初ほんの水滴のような感じから段々と流れが幅広く深くそして烈しくなり、いつの間にか激流のようになって客席を飲み込む

そしてなんだろう・・・?この聴いてるうちにこちらの身体が無性に無意識に動き出してしまうのは・・・「イエイッ!」マスター亜郎が叫ぶ 石田もいつもの”唸り”が出てきてやがてそれはほとんど”叫び”のようになる どこまで行くんだろうこの激流は・・・すると突然ピアノの動きがぴたっと止まった 「終わります」そう一言言うと幹雄が一礼する その顔には玉のように汗が噴き出していた

いやあ・・・今日のライブすごかったなあ 一台のピアノをこれだけのプレイヤーが弾きたおすのもなかなかないよねえ あっ、そういえば「クリスマス」だったんだよね

高円寺ライブハウス ペンギンハウス

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