いろいろあるようで  12日

雨は降るし、サッカーの試合はあるし こんな晩のライブハウスにいいことはほとんどない・・・そう最初から諦めてしまってもしょうがない・・・が、そこがペンギンハウスの恐ろしさ いやいや、なかなか中身の濃いライブだったんだよ
今日の1番目は泥窪+ヒツジ このユニットでの演奏も回を重ねるにつれ本当にペンギンの空気にすっかり定着しているようで彼らの出すビートがちょっと酔っ払ってみたい人にはぴったりの気持ちよさを産み出す 最初の出演者ってけっこうその夜の空気の流れを導き出すような重要な役割を持っているから、この二人の演奏が今夜を決める!さあ、責任重大だぞ 大丈夫か泥窪・・・ははは、ちょっと苛めすぎたかな 本当に今夜の二人はいい演奏だったよ そして、演奏後の泥窪は最後まで上機嫌だった これが大事なんだ いいムードメイカーなんだよね 彼は
そして、2番手 これも重要なんだよね せっかく前の演奏者がいい空気を作っても次の出演者がそれに水を注ぐようなことをしたら台無しになっちゃうもんね そういう意味ではこのユニットを出したらまず安心だよね 半PEKO・・・なだのきよしきを中心としたこのバンドはなだのきワールドを目いっぱい気持ちよく伝えてくれるいい仲間ばかりで出来上がっている なんだろう、あの曲の中にちょくちょく出現するめちゃくちゃ長い「ブレイク」・・・独特のタイム感覚なんだけどこれがペンギンにいるみんなをすごーく緩やかな休みの国に連れてゆく 「いろいろあるよ~で~・・・いろいろないよ~な~」時間がゆっくり流れてゆく
そして3番目 これがまた重要なんだよね せっかく前の・・・同じことを言ってはいけないね(笑) でもね、今日3番目に登場したPocket Rocket・・・彼らが実は今夜のペンギンライブのムードを決定する大きな役を果たした じつを言うとね 僕は今夜彼らが演奏することにちょっと不安を持っていた いいものを持っているのだがどちらかというといつもそれが空回りしてしまうようなところが彼らにはある 今日出演したメンバーも今回が初めてで演奏を聴くと正直言ってまだこなれていない どうなんだろう、今夜のいいムードもここまでか・・・と、思ってたら 意外や(それは失礼だ!)彼らの演奏がおおウケなのだ 「ロックンロール!」客席で大声で騒いでるのは泥窪だ 半PEKOのメンバーも大騒ぎだ ポケロケの演奏曲が妙にみんなのツボにはまってしまったようだ  彼らのちょっとあぶない初心者っぽいところが妙に皆の心をくすぐったのか そして、それは60年代末の名曲「Born to be Wild」で爆発した 客席がみんな大騒ぎだ そしてその中で誰よりも人一倍ノッている人物がいた
それが実は今日最後に登場した山田庵巳だった 正直僕は驚いていた 山田庵巳という人は実に素晴らしい歌手でギタリストで表現者だ その完璧な演奏表現はもう誰も追随できないような完成度とテクニックで出来上がっていて 庵巳ワールドというはっきりした世界がある それは本当に素晴らしく聴く人を独特の世界に連れてゆく ただ、今まで2回ペンギンで演奏した彼はどちらかというととてもナーバスで完全主義者ゆえにちょっとした細かいほころびも許さないといった脆さも併せていてどちらかというと「とっつきにくい」というイメージがあったのだ ところが、今夜の彼は違っていた なんだかペンギンの観客に対し自分の古くからの友人の前でやるような今夜の演奏はいつもより柔らかく、そのぶんさらに深く皆の心に入ってくる1曲1曲が本当に素晴らしい そしてそれを楽しんでいるように彼も「高円寺は優しい!」とか「僕はロックが好きだ!」とか叫んで 今までの山田庵巳が見せなかったような一面をどんどん出してくる 最後は熱いアンールコを受けてちょっと戸惑うような顔を見せたが、とても気持ちよく演奏してくれた 間違いなく今夜の山田庵巳の演奏は最高だった なんか伝説に残りそうな一夜だったのだ 本当に色々なバンドやユニットやソロアーテイストがいて色々な演奏があって、そしてそれがペンギンの今夜を作り出した 最高じゃないか!
さて、今夜の一枚 帰り支度の山田庵巳を皆が送り出す・・・そしてそこでまた「サークル」が出来上がってる!yeah

・・・そして高円寺ライブハウスの夜は・・・

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