そこに流れる   29日

梅雨のあいだの晴れ間が続いている 東京地方は今日こそ雨になるかと思ってたらまた青空 陽射しが強い 「さつき晴れ」というのは本来はこの時期のこういうお天気のことを言ってたらしい それにしても暑い
今日のペンギンライブ その表通りの熱さから少しは逃れていられそうな地下の涼しさを求めてきたけれど・・・
最初の出演者はFooliN このとことずうっとソロでの演奏が続いているが今日もまたソロでのプレイになった 仕事が本当に忙しいらしく今日も演奏が終わったらまた仕事場に戻らなければならないという過酷な状況の中のライブでは愚痴やぼやきも出るわなあ・・・いやいや、ぼやきは彼のいつものMCだ 財布を忘れてポケットの小銭が足りなくて・・・やっと買ったお茶が自分の欲しいものと違ってた・・・そんな他愛もない話題をはさみながら歌う彼の歌もちょっと愚痴が多いのかな・・・と思ってるとそこは現代の社会のコンクリートとサッシとガラス窓に閉ざされたオフィスからふと眺めた風景のような乾いたわびしさに満ちている 「時計仕掛けの人並みが回る・・・」「影だけが先頭をぶっちぎっている・・」とか いつも乾いた悲しみがそこにはあるようだ
2番目は今日がペンギン初出場のオーガストインデイアン 通常はベースとギターの2人組だが今日はg/voのカズヲ一人の出演だった 一人でも十分お客を満足させられる演奏だった アコギを弾いて歌うというのは昨日の出演者にもいたが、とにかく僕が感じるのは最近のシンガーはとにかく上手い ギターも歌も本当にレベルが高いのだ 60~70年代のまだまだ「むこう」のカバーや物まねをやっていた時代から比べると驚くほどの進化だ そしてそれぞれが自分の世界をちゃんと持っている 「月に棲むという魚」や「僕のおもちゃ」とか「すかんぴん」とか・・・気になるワードに満ちている また聴きたくなる歌が多かった
3番目の豊樹野しげと&伝染RoLL’Sというやたら長い名前のバンドは名前だけでなく演奏も複雑な内容を併せ持っている 演奏だけ聴くとよくあるブルースバンドのようなのだが、イケイケなブギを演奏してたかと思うと戦争をテーマにした(SEにヒトラーの演説が入ってくる)ヘビーな「大地に還れば」という曲とか、なんか猟奇的な内容を持った「地下室」という曲や、普通のブルース系バンドは絶対にやりそうもないテーマの曲が入ってくる ブルースも日本に入ってきてそろそろ40年くらいになるからそれを素材として色々なものが生まれてくるのも当然なのだ 豊樹野が今度はどんなテーマを見つけ出すか・・・僕も楽しみにしている
今日最後は毎月かならずここで演奏しているMΛNTRΛ 
いつも大人味たっぷりの粋なサウンドを聴かせてくれるが今日もいい曲ばかりだったなあ 僕が大好きな「・・・Miss Neworleans」やラストにやったストーズの「悪魔を憐れむ歌」とか・・・クールな演奏なのに妙にホットなところが中にあって楽しませてくれる 演奏を終えた伝染Roll’sのメンバーが大騒ぎしてたなあ みんな中にあるものは結構一緒なんだよね

・・・高円寺ライブハウスの夜はふけていった・・・

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