僕の吉祥寺話 60

さて、長々と続けてきたこのお話もいよいよ終盤になった

話は僕がキャンディーマンの解散と言う突然の出来事に遭遇したあたりからにしボートよう

とにかくあれだけ精魂傾けて本気で入れ込んでいたユニット「ザ・キャンディーマン」それがいきなり消滅してしまって、まさに高いところに登ったはいいがいきなり梯子を外されたような、大海原で舵のまったく利かなくなった舟を漕いでいるような・・・僕が受けた喪失感はそりゃすごいものだった

悪いときにはそういうことが重なるもので、ちょうどそれと同じ頃一年くらい付き合ってた彼女とも別れることになってしまった

僕ははっきり言って荒んでいた 毎日のように「のろ」に行ってはただ酒を飲む・・・それも焼酎をス焼酎トレートで何杯も呑んで気分が悪くなるとトイレに行って吐いて・・・また呑む そんな日々を送っていた

音楽的な行き詰まり感もあった なんていうか、それまでの吉祥寺のぐゎらん堂などに集まってたほかのミュージシャンたちのやってることと僕がやろうとしてることの距離が段々と広がっているのを感じていた

当時、ブルースをずうっと聴いていくうちに次第に僕の興味は戦前のカントリーブルースから戦後の「シティーブルース」や「モダンブルース」へと移る・・・というより広がっていた

T・ボーン・ウォーカーやロバート・ロックウッド、エルモア・ジェイムス、マTボーンウォーカーエルモアジェームスディー・ウォーターズなど・・・それらの音の中にはあきらかにそれまで聴いていたカントリーブルースにはないエネルギーと何かを強烈に動かしてゆこうという衝動みたいなものがすごく詰まっていた

つまり、僕はあの60年代にイギリスでそういう音楽を聴いて新しい音楽に目覚めていったストーンズやレッドツェッペリンやクリームの連中と同じような意識を持つようになってきクリームライブていたのだ

そして、ある日そういう僕の方向性を決定づけるきっかけと出会うことになる それは・・・続く

高円寺ライブハウス ペンギンハウス

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