さあさあ、今日のライブはちょっと大変だぞお・・・別に大編成のバンドが出るわけでもない 難しい機材をやたら持ち込むわけでもないコーラスが5人とか・・・そんなこともない 全員アコギの弾き語りだ だったら楽じゃないか いやいや、それは違う 今日はいつになく疲れている自分がいる その理由は・・・
今日最初の演奏者はお馴染みペンギンハウスほぼ最年長(?)出演者 地味KENだ
この人の異常な元気さは一体どこから来るのだろう 昨日もどこかでライブやってきたらしい その前の日は正体不明になるまであちこちで飲みまくってたらしい
この年齢でこれだけライブ活動を続けてる人ってなかなか居ないよなあ それに演奏の内容ったら「濃い」のだ 最近はすっかり十八番になってる揚水の「傘がない」とオリジナルの「ウォーシティー」のカップリングから「甘い想い出」とタイトルを告げて歌いだした「My Sweet Memory」まで・・・息を抜くなんてことはこの人の辞書にはないのだねえ・・・いやいや妖怪のような人なのだ(笑)
2番目に登場するのは最近は本当にハイペースでここに出演している若い弾き語りシンガーHEART OF SILVER だ アコギ1本でかなり爆音で重量感とドライブ感ぎっしりのサウンドを作りながら彼のオリジナルソングはまっすぐロックという天空の着地点を探している このひたむきさは時に無骨なイメージも与えるが、こういう人間だけが「その先」を見ることができる・・・そう思う
そして3番目に登場した弾き語りシンガー アサダマオ 今日の彼女は一種「台風の目」のようだった
今日本番前に彼女に挨拶したときに「今日は調子どう?」と訊ねると「ええ、最高です」とニコっと笑った これは楽しみだなあ・・・そう思いながら彼女のステージを見守る
なんか今日の彼女はオーラが膨らんでるような感じだ なんだか嬉しそうにウフフと笑いながら「今日はノドの調子が最高にいいんです まるで天使がここに居るみたい・・・それでは天使の声をお楽しみ下さい」そう言いながら演奏を始めた
うん、本当にいい声だ そういえば最近彼女はノドの不調や原因不明のアレルギーに苦しんだりと体調不良に悩みながらの演奏が多かった 今日はそういったことがまったく無くて本人も嬉しそうにそして楽しそうにステージを進める 歌詞をトチってもエヘヘと笑って進める
そして、今日は実にいいことを言った
「言葉って伝えることができない部分がまだまだありますよね だからダンスとか音楽ってあるんだと思います」 いやあ・・・確かにそうだ
そしてそのアサダマオの作り上げたなんともハッピーでデンジャラスなステージワールドを引き継ぐのは 山田庵巳だ
今日はなぜかスタンディングスタイルでの演奏・・・それを可能にしているのは彼が使うワイヤレスのギターピックアップとタイピンマイクだ
いつもちょっと辛辣な彼のステージMCは今日は「弾き語りフェスティバル」なるものに参加したときの話・・・「弾き語りというスタイルに安住している連中はどうしようもない」というような・・・そう言われればそりゃそうだ 今日の山田庵巳もほかの出演者も・・・それぞれが自分の屹立したエッジの先を渡る曲芸師のような音楽を創り続けているのだ
それを僕は思い切りリスペクトしたい だってほかに誰も居ない・・・そういうところに居るのははっきり言って「タイヘンな」ことだから
高円寺ライブハウス ペンギンハウス