僕らの北沢話  8

その青年はみっちゃんのあとに続いてアパートの玄関に現れた

みっちゃんが彼を紹介する 「私の知り合いでドラムをやっているケンちゃんです」ドラム

ところが、そこに居た修子と僕はちょうど例の「喫茶店ごっこ」の真っ最中だった

それでどうしたのかと言うと「ああ、そう」ぐらいの生返事はしたが、その青年のことは完全に放ったらかしで喫茶店会話に熱中していたのだ 言っとくけどごく下らない会話なんだよ

「ねえ、マスター 最近景気はどうなの?」「いやあ、近所に新しい喫茶店が出来てお客がそっちへ流れちまったみたいでさっぱりだよお」「大変だねえ、私も最近商売がうまくいってなくてさあ・・・」「本当に今の政治が悪い!」キッサ

なんて会話を延々と続けていたのだ

その大人しい青年は黙ってそれを見ていた

そしてその日は・・・あるとんでもない「イベント」に彼を巻き込むことになるのだが・・・この話はまた後日にすることにして・・・

そのドラムを叩く青年との付き合いはその後ずうっと続くことになる

みなさんはもうお判りかと思うが「ケンちゃん」とは今の修子バンドのパーカッショニスト 瀬山研二のことなのだ

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高円寺ライブハウス ペンギンハウス

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