時間と空間    30日

最近、家に帰ると眠る前の少しの時間なのだがケーブルTVを見ることがある 僕が好きなのは宇宙の秘密や神秘についての番組だ この番組で先日「タイムマシンは実現可能か」というテーマをやっていた そこに登場したある物理学者によると、超巨大なブラックホールの中心あたりにものすごいスピードで回転している大きな渦があり、この近くに行くと空間ばかりか時間までがゆがんでしまうということで、ここを通ると時間空間を「ワープ」することができるというのだが・・・まあ実現はまず不可能らしいのだけどね
さて、ペンギンの出演者たちはここの時間と空間をどのようにしてくれたか
最初の出演者はおなじみSHOTGUN BLADEだ いつもと変わらずすべての曲を全力投球で投げつける彼の音楽はまるでアメリカあたりのまっすぐで周りに何もない砂漠の中のハイウエイを全力で飛ばしてゆくようだ「走れ・走れ・走れ・・・」彼もそう繰り返す そういえば彼がギターで刻むリズムはまるでアメリカンバイクのエンジンのように常にフルスロットルだ アイドリングという言葉は知らない・・・そうでも言いたげにストローク・ストローク 彼の演奏や曲にまったく興味がない人でもこれを聴いてるといつかあのリズムとスピード感に一緒にライドしているような気分になる そういえば見つけたよ!肩に架けたブルーのストラップに稲妻・・・カッコいいね
2番目はユニットのDBS3の登場だ この3人(だからキューブなのだね)が作り出す荒ぶれながらスイングするという演奏スタイルはいつもスリリングで聴き手をやはり異次元に連れていくようだ しかし、長く一緒にやっているそして一人一人がものすごい業師ということもあってか次々と湧き上がる音のアイデアとコンビネイション・・・これはすごい 特に最近僕はドラムに意識が行くことが増えてきたのだがここのドラマー福島紀明のドラムは本当にすごいと思う いつもマイクなど一切使わずに叩くそのドラムはタイトで音量も重さもあるし1発1発がとても存在感がある 思わず彼の手元を見てしまう そのドラミングは意外なほどしなやかで一見力をほとんど入れてないかのようだがステイックの先がドラムに当たる瞬間のスピードがすごい! それに不思議なのは彼が叩いているとステイックがすごく細く見えるのはなぜだろう
そして、3番目に登場したのはしつこく言うけど僕が今一番注目するギタリストシンガーのひひひのひだ 彼こそまさに時間空間をもう融通無碍に操る魔術師だ 前回は恐るべき縄文パーカッショニストとのセッションで意表をついたが今日はソロ 彼のすごいところは本当に毎回何か違う演奏コンセプトを持って現れるところだろう いつも聴いてるはずの曲がまったく違う演奏で広げられる・・・僕らは毎回音楽の迷路で迷子になる 今日はあのE-bowまで登場したぞ 今度は何をやってくれるのだろう
最後に登場したのは人気バンドcracks&rabbits DBS3のハラが「彼らと一緒にやりたい」とラブコールを送るくらいの実力者バンドだ とてもタイトでグルーブするドラムベースに支えられてギターボーカルのコバヤンはステージをまるで格闘技場のようにアグレッシブにそしてしなやかに暴れる きっちりコントロールされたリズムから炎のようなリードソロへ そしてそれらの大音量のバンドサウンドの中からすごくよく通る声のコバヤンの歌は言葉の粒がはっきりくっきりと伝わってくる 空間はまさにペンギンハウスのステージだが彼らは時間をワープしてしまった ラストそしてアンコールが終わってみると・・・え?もうこんな時間

・・・そして高円寺ライブハウスの夜はふけていった・・・

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