混沌としつつ     17日

お盆も明けて皆さん日常の生活に戻られてますでしょうか ペンギンは・・・まあ日常が尋常じゃないのでいつもどおりなんだけど 今夜も不思議な模様のカーテンを下ろしたような・・・混沌とした夜の幕開けとなった
最初の演奏者は若手ノイズ系のホープとでも言おうか RHIZOMEの登場だ 彼のステージはとにかく機材の量がハンパじゃない メタルのリゾネーターギターのほかに大き目のカートに山盛りになるほどの機材 そして演奏は音の壁をぎっしり積み上げてそこに少しずつ隙間を空けてゆくような作業が続く 定常音のつながりだった前回に比べると今回は少し物語があるようだ 目をつむっているとまるでスペースファンタジーの映画のオープニングを観ているようだが、そこからどんどん人間には入り込めないブラックホールの中に入ってゆくようで音は巨大な渦になってゆく・・・


2番目の演奏者は狩俣道夫(fl)露木達也(ds)そして急遽参加が決まった細田茂美(g)のトリオ その前のRHIZONEの演奏が真っ黒に塗りつぶした画面に少しずつ光の筋をつけてゆくような作業だとすればこの3人はその真逆で真っ白い半紙に墨のついた筆で印をつけてゆくような感じだ 演奏は限りなくフリーでギターの細田はとうとう最後までまともにフレットを押さえて弦を弾くということをしなかった リーダーの狩俣もフルートを吹いたと思うと座り込んで「謡い」のようなことをやったりソプラノサックスを吹いたと思うと正体不明の笛を吹いたり・・・わりと隙間の多い音なのだが空間には正体不明のものがぎっしりという感じだ

3番目はペンギンハウス初登場のAM25:76という2人ユニット 元々それぞれソロや別ユニットで活動するホンダリョウとキノマルヨウコが組んだものだ 今回結成して初めてのライブだそうで、それもあってまだ未消化でこなれてない感じがしたがそれぞれ実力がある同士なのでこれからが楽しみだ ピアノ弾き語りのキノマルヨウコの強く鋭いシャウトは聞いたことあるなと思ってたら3月の「女の独唱パンク」に出演していた 藤原愛も参加していたイベントだ

最後に登場したのは山田庵巳 本人曰く「この混沌とした夜をどうやって締めようか」とは本当にそうだと思う そしてそれが出来るのも今夜は彼しかいないだろう ごちゃごちゃに絡みきった糸のその中から自分の一本をみつけてゆっくりと確実に引き抜いて解いてゆく・・・だけじゃなくてそこからまったく違う模様を編み出す 8弦ギターの1本ずつが精密な編み棒になっているように そこに魔法の呪文をかければ・・・さあ出来上がりだ その混沌というケープを翻して彼は高円寺の闇の中に溶け込んでいった さて今夜はどこへ・・・

・・・そして高円寺ライブハウスの夜は・・・

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする