絵のちから    21日

一昨日昨日と爆音系のライブが続いてちょっと耳のほうがしんどいなあと思ってたら、まあ今日はなんて耳に優しいライブだったことか 逆に耳をそばだてるような音だったのだよね
今日最初の出演者はスズキミキコ そういえばこのペンギンハウスライブの出演者で女性の弾き語りというとあまり多くはないのだが中でもギターの弾き語りというと僕が知ってるのではBehring, satomimagae、月ふたつ最近では小宮陽子そして彼女だ 前回はバンドスタイルでの演奏だったが今回は一人でフェンダージャガーという渋いギターを弾いての演奏 彼女の歌は一つ一つの言葉を本当に大事にラッピングして送り出すような歌い方で、なんともゆったりした気持ちよさがある クセなんだろうが歌いながらよく斜め上をちらっと見る なんかそちらに素敵なものがあるんだろうね ところで前回はバンドだったので気が付かなかったが彼女のギターのボリュームコントロールの上手さにはちょっとびっくりした それもノブを回すんじゃなくてピッキングの強弱でピアニシモから大音量まで使い分ける これって意外と難しいんだよね またソロが聴きたいね

そして2番目に登場した三浦陽子+長沢哲 この三浦さんが今日ライブの「譜面がわりに」と言って持ってきた自作の絵画 これが今日のキーポイントになった アクリル絵の具で描いたというがまるで水墨画のような不思議な透明感がある そしてこの絵を見ながら二人の演奏が始まる その音は絵以上の透明感溢れるなんとも涼しげで静かで心に優しい演奏だった 今日はそしてこのあと立て続けにピアニストたちが登場するのだ

次に登場した2人組のピアニストは照内央晴という 彼の演奏はもう自分の心の内面を奥深く掘り下げてゆくようなとても内省的な音だ 静寂がとても長く深くこちらの心の奥にまで染み込んでくる そして、そのピアノの音に動かされるように踊るのが木村由というダンサー その動きもなんとも「静」を表わすようで能とか舞踏に近いかなあ いいダンスだった 写真の枚数でどこまで表わせるかなあ

そしてピアノといえばやはりこの人 石田幹雄の登場 今日の華麗な鍵盤豪華な一夜をしめくくるのにはぴったりだ それはもう川の流れが渦を巻いたり怒涛の滝で降り落ちたり時には限りなく深くゆるやかな淵になったり・・・その自在な変化を切らすことなく行くようで聴いてる方はそのスピード感や幅の広さに圧倒させられっぱなしだ そして、今夜は長い1曲を終えてそのあとMCで「涼しげな曲をやります」と言って演奏したブラジルの曲もよかった 本当に静かな静かな一夜だったのに心にはたっぷりいい刺激をもらいました それにしても三浦陽子の絵が最後までいい仕事してた

・・・高円寺ライブハウスの夜はふけていった・・・

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