前の祭り    24日

このところ高円寺の街がなんかざわざわしている それは無理もない 年に一度高円寺の街中がとんでもないことになる「高円寺阿波踊り」がいよいよ明日明後日と開かれるのだ 去年は震災の影響でちょっと自粛、踊りも日中の開催だったが今年はがっつり夜にやるそうでそのコースになる大通りの歩道には○○商店とか○○社とか名前を書き込んだガムテープのいわゆる「バミリ」があちこちに出現している すでに今日の夕方には「プレ祭り」とかいってペンギンハウスのすぐ近くで踊り連のデモンストレーションがあったりで、その音はペンギンの中にまで聞こえてくる きっと明日は大変なことになるんだろうなあ
さて、そういった地上の騒ぎとは別の祭りはここペンギンハウスでは毎晩開催されているわけで
今日の出演者 最初に登場したのは今回が初出演のピアノ弾き語り平井ミエだ なかなか目鼻立ちのくっきりした美人だがステージでのしゃべりや物腰もくっきりと歯切れがいい なんかお喋り鍛えられてるなあ・・・と思ったら大阪から来たそうで・・・なあるほど 大阪の女の子は昔からお喋り好きで明るいもんなあ おっと、演奏の話もしなくちゃ(笑)鈴のようにとてもよくひびく伸びやかないい声で聴いてると気持ちがよくなる オリジナルの曲もよかったね 次回はゆっくりと歌詞も聞いてみたいな ペンギンハウスはまだまだ女性シンガーが少ないと思う ぜひ常連になってほしいね

さて、次も女性シンガー曽我愛子で「曽我愛子トリオ」という名前で出演しているが、ギターにペンギンハウスではおなじみの山下太郎、ドラムスには松尾あつしというメンバーで彼女はボーカルだ この人もすらっとした長身にロングヘアがかっこいい 歌はやはりTAROと一緒にやるだけあってノリのいいソウルフルな曲と歌い方 のってくると自然と体がスイングする スレンダーな彼女がそれをやると・・・うーん、よかったねえ 客席もつられてヒートアップしてゆく またTAROの絶妙なバッキングが冴えてたね 気持ちのいいステージで今日の前半はあっという間に終わった感じだった

さて、素敵な女性シンガーが二人続いてすっかり華やかなムードになってた前半と打って変わって男だらけの暑苦しい・・・苦しいは余計か 後半がスタートする 雰囲気を変えてしまったのはこの4人だ 豊樹野しげと&伝染Roll’sはいつもその特異な変態チックなブルースで物議をかもすが今日はリーダー豊樹野はなんと「終戦記念日が近いから」と、どこで仕入れたのか旧日本軍の軍帽を被ってのパフォーマンス それで歌うのが反戦歌の「大地に還れば」だからやりすぎだっての(笑)伝染Roll’sのメンバーも新参のナカムラ(g)もすっかり馴染んでいいギター弾いてたな ますます泥臭いバンドになってきたなあ

そして最後に登場したバンドSALIKAMI このバンドは厄介だ なにしろメンバーが多い フルメンだと7名 g/vo, g/cho, b, ds/cho, per/cho, key, ピアニカ・・・ボーカルマイクが4本 狭いステージはあっという間にすし詰め状態になる おまけにリハやってくれない(笑) セッテイングにはけっこう手間がかかる・・・すべてのセットを終えて卓の前に戻る・・・は~あ・・・ため息が出る
なんだけど、演奏が始まりこのバンドの音が出てくるとその「大変だあ」という気分が一瞬でどこかに飛んでってしまう とにかく気持ちがいいのだ あえて頑固に「ルーツレゲエ」だけをやるという彼らのポリシーは僕も大いに賛成だ とにかく聞いていると自然に体が動く これは理屈じゃないんだよね このゆるーいグルーブ感を生み出すのは結局この7人というやや大所帯のメンバー一人一人なんだろうねえ この気持ちが一所にぎゅっと集まっているというのが何よりなんだと思う 阿波踊りよりももっとワクワクするものがここペンギンハウスにはあるんだよ それも毎晩だからね!

・・・そして高円寺ライブハウスの夜はふけていった

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする