祭囃子のこちら    25日

いよいよ始まってしまった 年に一度高円寺がとんでもない大騒ぎになる2日間「高円寺阿波踊り祭り」が今日明日と開催されている もうペンギンハウスから一歩出るとそこはお祭り会場 普段はどうってことなく歩ける純情通り商店街は踊りの連の皆さんとそれを見物する人々でほぼ通行不能に そして、その喧噪から逃れて階段を降りるとそこには別世界がある そこがペンギンハウスだ

リハが終わってオープンまでの数10分、ここは驚くくらい静かだった でもその静寂もやがて終わる それを破ったのは最初の出演者アニマリオペレッタだ 京都からやってきた2人組のユニットは実にユニークな世界を持っている バンマス兼ソングライターの表現タローはとても魅力的ないい曲を書く 登場者がなぜかほとんど動物というのも面白い その曲をものすごい強烈なキャラでさらに不思議なものにどんどん広げていくのがボーカル&サックスのイノッチだ 彼女はとにかく明るくてパワフルだ なんだろう・・・不思議なオーラを持っている 破天荒なボーカル、破壊的でさえあるサックスそして彼女の底抜けに明るい笑顔にはどんな暗い人でも巻き込まれずにいることは不可能だと思う そのパワーで行き進むアニマリオペレッタ こんなバンドはちょっといない

2番目に登場したのはこれはまったく真逆なくらいの静か~な世界を作り出すシンガーギタリストのタケヤリシュンタだ 彼の曲はまたとても繊細で真夏の深い森の中の木漏れ日のような密かなきらめきを持っている 丁寧に注意深く歌い上げるその曲にはいつもマーチンのD-28の生音が寄り添っている この28がまたいい音をしているんだよなあ マーチンといっても意外とだめなやつもあるのだが彼のギターは実にいい音で鳴る まあ弾き手がいいのはもちろんだ タケヤリシュンタは繊細のようでそのギターサウンドは意外と力強い

そして3番目はペンギンハウス名物と言ってもいい ひひひのひ の登場 毎回なにかびっくりするようなゲストを連れてくる彼だが、今回はなんと「タイムボイン」という名前の演奏者 何者かと思ったらなんと任天堂のDS-3を3台使っての演奏だという 実際に本番で聞いてみるとそのDS-3をまるでシンセかサンプラーのように使いこなす へ~え、こういう使い方もあるんだねえ そしてそのサウンドに刺激されたのか今日のひひひのひはなんかいつもより少しアグレッシブなギターワークを見せてくれた 聴いてるうちに僕はふと思った これってまるでジミヘンみたいじゃないか・・・ひひひのひ 今度はどこへ行くのか?

そしてまさに最後を飾るのは孤高のユニットDAKATZ 正直最初僕は彼らはノイズ系のバンドなのかと思ってた・・・勉強不足でした DAKATZはすごくパワフルだけどすごくしっかりとしたエンタテイメントユニットだ まず音だが、ベースとドラムの二人で作る音はあまりにもストイックで硬派なリズムの塊だ その圧倒的な音量で見失いそうになるが無駄を一切排除したリフを重ねてゆく演奏はある意味ではロックの「芯」の部分だけを削りだしたようなサウンドだ その音にダンスの女性そしてライトショウのアーテイスト・・・一見全員がフリーにやってるように見せながら実はすごく緻密にタイミングを合わせたパフォーマンスだから見応えのあるものになるんだねえ 外ではもうとっくに阿波踊りの騒ぎは終わってるようだがペンギンハウスはまだまだここからだ こっちのほうがすごいぞ!

・・・こうして高円寺ライブハウスの夜は・・・

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