ラジオの時代だったら    6日

さて、新年が開けてもうすぐ一週間が経とうとする今日6日(水)  ペンギギンハウスライブは弾語りのそれも全員男性という・・・まあいつものことなのだけど(笑)顔ぶれだ

最初の演奏者は toyosic

いつものように「カサンドラ・ウィルソン」の「Strange Fruit」にのって暗闇の中に現れると四方に向けて丁重に礼をしてそれからギターを抱える そのギターは烈しくストロークした彼のピックの通り道に沿って深くボディーがえぐられているように見える そのうちウィリー・ネルソンのように穴が開くかも・・・でも、これだけ甚振られたら楽器としては本望・・・かな

オフステージでは穏やかでジェントリーな彼だが、演奏を始めると「鬼神」に変貌する

まるでデルタブルースマンのようにギターを烈しく弾くというよりは叩くようにしながら魂の一番底までさらけ出してしまうような歌い方で・・・その動きには望遠レンズをセットしたスマホのカメラはとても追いきれない

そんな彼が去年の年末CDを作ったそうで、来月は「学芸大前」の「アピア40」というお店で藤原愛をゲストに迎えレコ発ワンマンライブを行うそうだ
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2番目はやはりアコギの弾語り 西山諒

去年は出演回数のベスト10に入ってとにかく精力的に活動を続けてきた彼は確実に成長そして何より逞しくなった

最初の頃は風に吹かれる草のようだった青年はいつの間にか「樹」になってその柳のようなほっそりとした葉はそのままでその下にがっしりとした幹と根を身につけた

中央線沿線の某ライブハウスで働く彼は正月も全然休めなかったそうで、なんだか申し訳ないような気分だが、そのパワーも背負ったかのように最初から最後までぎゅうっと凝縮された素晴らしいステージだった 今年も彼から目が離せない
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「へえ、お前が今日は3番目に出るのか~すごいな 出世したな!」そのようなことを観に来た友人に言われてステージに上がったのは HEART OF SILVER

確かに言われてみればそうかも知れない それだけペンギンハウスの演奏者の層が厚くなってきているせいだと思う
それはそれでいいのだが僕は今日は「アコースティック大会」とでもタイトルを付けようかと思ってたら裏切られた 去年までずうっとアコギでしかも爆音で演奏してきた彼が今日はエレキギター、それも「GREATCH」のフルアコを持ってきたのだ これって「ブライアン・セッツアー」と同じモデルじゃないかな

で、何でエレキに持ち替えたのかと訊くと「単にアコギに飽きた」みたいな答えに思わずズッコケてしまったが、彼としては実はずうっとエレキでやりたかったそうでアコギでのプレイはそのためのステップでもあったようだ

しかし、グレッチ似合うなあ~ 若くてスリムな彼にこの黄色いかなり「硬派」なギターはすごく似合う

うん、今年はこの路線で行くのがいいかも 今まで聞いてた同じ曲がだいぶ違って聴こえた

今年も楽しみなHEART OF SILVERだ
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これだけ若くて勢いのいいミュージシャンたちが熱演を繰り広げた今夜のペンギンハウス その空気の中で最後に登場するのがよりによってこの人・・・地味KEN 
さあて、老獪なこのベテランシンガーはどう出るか・・・するとブルーススタイルのイントロで始めたのが「BLACK COFFEE」という曲 これはブルースパターンのスロウな曲なんだが「サビ」のところでマイナーのコード展開になるというジャズスタンダード(アニタ・オデイとかやってたかな)で、こういう曲をやらせると上手いね

お馴染みの昭和歌謡曲を「台無しにする」というコーナー(笑)を経て最後に3曲続けて「くもりガラス」「オー・ベイビー」「ホット・サマーデイ」・・・これは彼が今から40年近く昔に「ブルースマーケット」というバンドを組んで演奏してペンギンハウスの前身の「猫屋敷」に出演していた頃の曲だ 懐かしい! それはいいのだが、その当時「プロ」を目指していた彼らに当時猫屋敷のカウンターを任されていた僕はこんなことを言ったそうだ・・・全然覚えてないけど

「うん、君らもラジオの時代だったら売れてただろうねえ~」(笑)
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高円寺ライブハウス ペンギンハウス


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