秀句#01

木犀や記憶を死まで追いつめる  と誰かの句がある。

木犀が匂ってくる。

それは記憶の遠くから匂ってくるようで、それをたどっていくと、

ぼんやり人の顔が浮かんで来る。

「あれ、あの人どうしたんだっけ」などと思わず追いかけると

「そうだ、亡くなったのだ」とはじめて気づいたかのようだ。

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