混沌のむこう    10日

ペンギンハウスらしいって言えば今日くらいそうだったライブもあまりないのかも知れない 皆さんを混沌の世界に引き込んでしばらくは浮上してこない巨大な鯨の胃袋の中のような気分にさせて・・・さて、表は月夜なのかな・・・
今夜最初の出演者からもうそれはいきなり始まってた RHIZOMEという名前で演奏をする寡黙な青年は今日も黙々と誰の手も借りずにセッテイングを進める その複雑で大量な機材と配線だけでもう「混沌」だ そして、ライトが落とされ薄暗がりの中で演奏が始まる そしていきなり音量はMAXに到達してメーターレベルは一向に下がらない 彼の演奏の時は僕は常にレベルメーターを凝視してなければならないのだが・・・なんだか無性に眠くなってくる・・・ああ、混沌

その次に登場するのは一見ギターに見えるものを抱えて何やら哀愁を漂わせた男、高橋誼だ 一見ギターに見えるものは案の定ギターではないらしい まるでギターとはかけ離れた音ばかりが出てくる その音に乗せて何か独り言を呟いている・・・人類の中でこんな寂しげな男はなかなかいない その呟きはどこかの店の呼び込みだったり駅のアナウンスだったり芝居の台詞だったり詩だったりする 不可思議なドラマは何の脈絡もなく始まって唐突に去ってゆく・・・ああ、混沌!

そして、その次に登場する彼までここに飲み込んでは可哀相ではないか?でも今日は少々強引に引っ張りこんでしまおう 潮田雄一というシンガーギタリストは恐ろしく繊細に整ったギターとボーカルで多くの女子ファンを持っている(うらやましいぞ!)ミュージシャンだ でも、アコギそれも曲ごとにチューニングを毎回変えて演奏するって実はすごくリスクフルなんじゃないかなって僕は思う・・・っていうか僕にはできない(うらやましいぞ!) とにかく言いたかったのは今日のこのものすごい顔ぶれの並ぶ中で、アコギでマイク録りであんなにか細い歌い方でけっこう「持っていって」しまう彼の演奏はタケヤリシュンタもそうだが、どんなプログレ系にも太刀打ちできる不思議な神通力を持っているようだ これこそ・・・ああ、混沌!・・・かな

そして、最後にはいよいよ大変な事態に突入する 亜弥&狩俣道夫 このユニット名を聞いたときに一体どんなパフォーマンスをするのかって一応YOU-TUBEで下調べさせていただきました そしたら、狩俣さんのフルートに合わせてダンスパフォーマンスするのが亜弥さんだってことがわかって、迎え撃つ体制はできた さあ、来い!ところがリハの時に亜弥さんが細かく照明とかチエックをしてたと思ったら僕の所に来て「あの、オープンの時にまずボーダーだけにしてタイミングでうっすらとブラケットを点けて・・・ダンスが始まってきっかり30分過ぎたらライトダウンをお願いしますね」・・・と言われたので「はい、わかりました」と言ったのはいいけどけっこうそれって大変なプレッシャーになるよね(笑) まあ、そうは言ってもやるしかない 今日はたまたま先日ちょっとPAを手伝ってもらったペンギン出演者の深野一穂が来てくれてたので彼に手伝ってもらいながら僕は「照明係」 そして演奏が始まる 狩俣道夫のあの深く脳の奥に入り込んでくるフルートの音に乗って亜弥のパフォーマンスが始まる 静寂と暗闇に近い薄明かりの中で・・・そのコラボレーションは本当に素晴らしかったよ これは生で観るしかない!言葉や止まった映像では絶対に伝えられない だからと言ってこれをYOU-TUBEに出してしまったらそれを観て「ああ、観た観た」と言われるのは本当に心外だ ライブ=その場に居る ということがどれだけ大切なことか・・・それが忘れられた時に世界中の「ライブハウス」は終焉を迎えるだろう・・・ところで、あ!開始から30分経ったらライトを消すんだった しまった!時間を計ってなかった 幸いヘルプの深野さんが覚えていてくれてなんとかなったけど・・・あ~あ 今日はとうとう最後まで「混沌」でした でも、すごく刺激的だ!

・・・こうして高円寺ライブハウスの夜はふけていった・・・

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