それから何年か・・・僕は仲間たちと「猫屋敷」「大久保スタジオ」「オレンジスタジオ」そして「ペンギンハウス」・・・と次々に新しい事業を広げていって、その忙しさに文字どおり忙殺されていた。
そして「仲田修子話」にも書いたとおり僕はペンギンハウスを辞め独立した
そのとき、どうしてもひとつ果たしたいことがあった 生まれてからずうっと東京で育ち東京で暮らしていた僕は「東京以外の」土地に住みたかったのだ
それで選んだのが「浦安」 今の皆さんが知っている浦安とはたぶんだいぶ違う
元々浦安の土地は海岸線があったところから先を大規模に埋め立てて、そこに未来都市のような街づくりが進められ始めていたところだった かつては広大な「空き地」だった「舞浜」に巨大な遊園施設・・・つまり「東京ディズニーランド」が出来た
「東京」と名乗っているがそこはもちろん東京ではない 「新東京国際空港」が東京には無いのと同じことだ
「江戸川」というさほど広くも無い河を境にそこは「千葉県」だった
一緒に暮らし始めたかみさんがある日変な事を言う
「ねえ、なんでここは都バスが走ってないの?」
だからここは・・・東京じゃないんだよ
河1本隔てたこっち側・・・僕は生まれてはじめて「都民」じゃなくなった
それ自体がなんだかとても心地よかった 元々は漁師町だった浦安の海辺の気候が気持ちよかったのだ
高円寺ライブハウス ペンギンハウス