僕の八ヶ岳話 20

2週間の教習が終わっていよいよ「仮免許」のテスト ところが僕はここでいきなりミスをやって失格! 結局次の仮免テストまで1週間あったので一度家に戻り、次の週また出なおした 最初のときに居た教習生は全員「卒業」してたので、部屋の顔ぶれがすっかり変わっていて例の「レベッカ」大好きな若者も居なくなっていた 僕は皆より”先輩”なのでちょっと「牢名主」みたいな立場になっていた(笑)

そして2度目の「仮免許」テスト・・・今回は慎重にやったので一発で合格 ! やっと「路上教習」へと進むことが出来た 路上になって今までただただ狭くて退屈な教習所内のコースを走ってたのから、一般道路に出ると気分は一変した とにかく八ヶ岳の雄大な裾野を車で・・・しかも自分で運転して走れるのだ これはなかなか楽しかった 不思議なことに今まであれだけやかましく高圧的だった教官たちも、路上になったらうるさいことは言わなくなり、のどかに世間話をしながら走る・・・という風に変わった
なんか色々僕の身の上を訊いてきたりするので、免許を取ったらこちらに引越ししてくる予定だ・・・と話すと「ほーお」というような顔になり
「またなんでこんな何も無い田舎に来ようっちゅうだ?」と素朴な質問をしてくるので

「だって、ここはこんなに環境も景色も素晴らしいじゃないですか!」と言うと意外そうに
「へえ、景色なんか毎日見てりゃどうっちゅこんも無いけんどな・・・。都会の衆は変わったこん考えるだね」・・・と首をひねっていた

当時はまだ「田舎暮らし」に憧れる都会人もあまり居なかったので、彼らにとってみれば僕はただの「変わり者」としか見れないようだった

しかし、の最後にどの教官も口を揃えるようにこう言った
「でも、夏は涼しくていいけんども・・・冬は”地獄”だぞ!」

その時はそれほどそれを深刻には受け止めなかった僕だった・・・やがてそれを身を持って思い知ることになるのだが・・・

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