暖かい夜    3日

「間一髪」 昨日の中央高速の笹子トンエルの事故はひどいものだった 計算をしてみた 崩落範囲が130mでそこを時速100kで走ってる車がそのエリアを通過するまで約5秒 すんでのところで車を大破しながらすり抜けた車もあったらしいが、真下で犠牲になられた方たちは本当に運が悪かった・・・そう言ってしまってはあまりに気の毒だ これはあきらかに人災だよ!トンネル管理公団側の検査の落ち度もあったみたいだし・・・あのトンネル、僕は以前蕎麦屋をやっていた時は毎週通っていたしつい先日、金曜日のお昼ごろ高速バスで通ったばかり 考えたらあの事故の起きるわずか45時間前だった なんとも恐ろしい話だ まさに「間一髪」だったんだ
さあ、そんな話で初めてしまった今日だが、そういったいやな気分を解消してくれるような素敵な夜だった 最初の演奏者は泥窪 今日はドラマーのシバタとのユニット演奏だった この二人が一緒にやるのは初めてかな・・・それなのにとてもイキの合ったいい演奏だった 今日の泥窪は珍しく落ち着いて(笑)いや笑っちゃいけない いい演奏だった それもやっぱり一緒にやる相手による刺激もあるのかな とにかくこのシバタというドラマーの演奏はなんていうか実に表現が奥深くてフレキシブルだ 歌のバックでは細やかにその曲を壊さないように気をつけながら、ソロになるとなんとも表情豊かで気持ちいいフレーズを引き出してくる いつもの泥窪の曲がちょっと違って聞こえる 最後はアンコールも出て今日のペンギンハウスはすでにスタートから大いに盛り上がってる

そして、次に登場したのはSHABA-DABAだ そうか、もう12月に入って最初の月曜日だ いつものように使い古したあのギブソンフルアコから出てくる音は馴染みの店のカウンターに座って頼むバーボンのように裏切らない 懐かしい そしてあの声が・・・あの歌が 酒場でいつも騙されちゃう男は今夜も騙される・・・野良猫は今夜も気まぐれだ まるで高円寺の街が丸ごとそこにあるようなSHABA-DABAのブルース・・・まだ1杯も飲んでいないのにちょっと気持ちが酔っ払ってくるなあ そして、後半からあのシバタがそしてたこボーも参加してのセッション!いやあすごく盛り上がったなあ その頃客席にも濃い顔ぶれが次々と・・・客席が一段と賑やかになる その真ん中にはあの西山正規がいた これは大騒ぎの予感が・・・

そして、なんとその次はsoloTako・・・そうあのたこボーが今日はソロで出演おまけに抱えてるのはアコギだ それだけでも目新しいのに演奏が始まると今まで聴いたことない曲ばかり なんと全部新曲なんだそうだ 今までエレキでのたこボーの演奏は何度も聴いてたがアコギもいいじゃないか!また違う面が見えたなあ 今年もすごい数のステージをこなしてきた彼はこの12月に入ってもまだアグレッシブにずうっと前方を凝視しながらつき進んで行く様だ 今年もあと少し ガンバレ!最後のほうはあのハナコがパンデーロで参加 アグレッシブさがちょっとほぐれて結構嬉しそうなたこボーではあった・・・かな もちろん客席は大騒ぎ

そして最後に登場したのがウシトラ このほんとうに無骨な2人組も今年は沢山のステージをここで披露してくれた 決して世渡り上手とは思えないカタヒラと野生児のようなフジイ 僕が「縄文人」のレッテル・・・というか「お墨付き」を与えたこの二人は今日もいつもとまったく変わらぬステージングだ いつものように首を絞められたニワトリのような発声練習から始まるウシトラのステージ 喉が擦り潰れて切れるんじゃないかという心配をしたくなるような声で叫ぶ・・・いや歌うカタヒラ そして掌というよりゲンコツでパーカッションを叩くフジイ このエンタテイメントとは一番遠いところに居るような彼らの演奏が僕は「東京セッション」と同じように好きだ そして、気がつくとその彼らのウエーブを誰よりも感じ取って客席で大きく揺れ動く一人の男・・・それは西山正規だ この破天荒なブギボーイは客席でもいつもホットだ そんな人間が今夜のペンギンハウスには多かった 気がつけば「同士」って言ってもいいくらいの絆が今夜のペンギンハウスには満ちている あれ?これってもしかしたら「忘年会」? そんな気にちょっとなったが・・・内輪話でもいいんじゃないかな 今年は本当にみんな頑張った! このライブパフォーマンスが本当に不遇な時代にあきらめずに本当に自分達のモチベーションをしっかり守って本当にみんな頑張っている 僕は素直に脱帽だ・・・ステージではウシトラの最後の曲が そして客席のみんなが大声を張り上げてる
「コトリよ~もっと高く~肘~を!あげて飛べ~~!」カタヒラの声が聞こえない(笑)客席の声が大きすぎる そして誰よりもひときわ大きな声・・・ああ、やっぱりニシヤン(西山)だった

・・・こうして高円寺ライブハウスの夜は・・・

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