今日最初の出演者は 大瀧尚克というシンガーソングライター ギターとピアノを弾きながらの弾き語りスタイルだ 彼は年に2回、大体半年のサイクルでここにもう15年以上も出演している 年齢は僕と同じくらいだろうか とても温厚なジェントルマンだ 歌もステージングも実に折り目正しくていねいな人だ 普段は何をしている人なんだろう 「ブランク」である半年間にじっくり練り上げてきたらしい曲をひとつひとつきちんと演奏するその人柄に惹かれるのだろう ファンも多い人だ 演奏の途中でのMCで15年前の「成人の日」の翌日、やはり雪が降ったそうだがはじめてここへデモテープを持ってきた話などをしていた 半年に1度というペースを崩さずにずうっと続ける・・・こういう姿勢には頭が下がるなあ あと何年でも続けられるならずっとやってほしい人だ
2番目はがらっと変わってバンドが登場する Pocket Rocketはg/vo ,b ,dsの3人組のロックバンドだ そんなに上手いバンドではない でも、リーダーでボーカル&ギターの彼のロック好きの姿勢がなんだか客席を巻き込んで楽しませてくれる 今日はベースがいつものメンバーではなく「ヘルプ」の人だったがなかなか上手いベーシストだった 1曲自分が所属するバンドの曲もやったが、なかなかいい演奏だった それにしても大好きな3大ギタリストをトリビュートした曲なんか結構いい曲だね ただひとつ注文すればMCはもっとゆっくり喋ってくれ~ メンバー紹介解らなかった
次もまたバンドだ 編成も同じg/vo ,b ,dsのロックバンドBASTETだ 月に1度のペースでここに出演している彼らの演奏はとにかくいつも安定して素晴らしい 何度も繰り返しになるけどボーカルのカイラの声は素晴らしい ハスキーでキレのいい声は本当にこのバンドの音にぴったりで気持ちがいい ベースのオカダ、ドラムのヤマシタ・・・この2人とのコンビネーションはベストトライアングルだと思う ソリッドでいながら情感溢れるロック・・・今年も健在だ
最後はまたソロミュージシャンが登場 ピアノ弾き語りの藤原愛だ バンドたちが波立てたペンギンハウスの空気を鎮めるように鍵盤から音が流れ出る しーんと静まり返ったその空気を一息吸い込むとやがておもむろに歌が出てくる いや、しかしその声にはどっしりとした重量感が最初からある 「故郷」など今日はヘビーな曲が続く 愛の表情が苦悶のようにゆがむ 暗い照明でなかなか細かいところは見え辛いが、ちょっと空けた口元が次の言葉を探るように震えているように・・・僕には見えたが・・・気のせいか そして、最後にその苦悶から解放されるように少しゆったりした表情で始まるあの曲「ヨッパライ帰り道」・・・また今夜も誰かがどこかで酔っ払ってる・・・まだ火曜日だ
・・・こうして高円寺ライブハウスの夜は・・・