飛べるか        19日

今日はまた雪が降った 東京でこれだけ雪が降るのはめずらしいんじゃないかな 大体ずうっと晴天が続くのがこの時期なんだけど 雪の多い年は春の訪れが早い・・・という説もあるが、今年は寒い・・・やれやれ、いいことなしだね
ぼやいててもしょうがないので今日のライブの話に行こう 今日のライブにはタイトルがついている 「インプロコレクション#41」というタイトルで、その名のとおりインプロ系のミュージシャンばかりのメニュー、今回で41回目だからペンギンハウスの中でも歴史のある企画なのだ そして「さすがは」といわせるような出演者ばかりが揃った 最初の演奏者はおなじみの東京セッションだ インプロといえば彼らを抜きに考えるわけにはいかない ホシカワ&マツイの2名がリハの時とは打って変わって烈しくアバンギャルドなギターとボーカルでペンギンハウスをインプロの渦に巻き込むのはもうすっかりおなじみになっている 僕ももう随分彼らの演奏は見ている しかし、今日ふとこんなことを思った いつもステージの下手で烈しくギターをかきむしり呻き叫び烈しく動き回るホシカワ・・・それに対してあまり烈しい動きはせずに上手でいつもクールな表情でひたすらリズムバッキング担当しているマツイ・・・二人の関係って「きのこ」と「胞子」みたいだな きのこはひたすらそこに立ち尽くして静かに風が吹いてくるのを待つ 風が吹くとそこから一斉に胞子が飛び出る・・・森のはるかむこうまで・・・思うがままに ね、あの2人ってそんな感じに見えない?・・・見えないか

さて、2番目のインプロはP.P.Cというp,sax ,djの3人編成のユニットだ この頭文字は「ピン、ピン、コロリ」という意味だそうだ つまり、いつまでも元気でいて最後はあっさりくたばろう・・・そういう理想を言うのだね この3人が本当にそうなるのかは今のところは不明だが、その資格は充分ありそうだ Alahがdjで様々に折り重なるようなリズムパターンや時にはノイズのような音を造り出し、フジエダはsaxやvoiceにループなどを駆使して時間空間的幻想をそこに創り出す そこにさらにトガシがピアノそしてモノローグなどで「迷宮世界」を仕立て上げる・・・マジシャンが3人も揃った世界はとてつもなく幻想的でそして不条理だ

3番目の出演者はちょっと異色だ と言うのも彼トモは普段はローライフサーファーというロック系ユニットでボーカルを担当しているからだ このバンドはソウルっぽいサウンドとトモの非常にDeepでソウルフルな歌が魅力で人気のユニットだ そのユニットから今日は彼が1人で出演したのは、彼がsaxも吹くからだ ペンマス亜郎からに誘いもあって今回はsaxを思う存分吹きたいということで参加となった その演奏はフリースタイルのとても魅力的なサウンドだった 音に人間性が現れるねえ 本人は「イマイチ」と言ってたが、どうしてどうして 30分が短かったもんね

そして、インプロといえばこの人を外すわけにはいかない 最後に登場するのはピアニストの石田幹雄だ そのサウンドが創り出す奥が深くて広い世界は本当にこのわずかなスペースのペンギンハウスを限りなく広げてゆくような・・・どこまでも飛んでいけるような・・・そうか、彼は「きのこ」であり「胞子」でもあるんだなあ・・・自分で自分をどこか遠くまで飛ばしてしまうような 一緒に聴いてる皆まで飛ばされてしまう いいぞ、どこまでも飛んでいこう もうすぐ春だ そういえば「花粉」も飛び始めてる(笑)

・・・こうして高円寺ライブハウスの夜は・・・

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする