今日もまた雨が降る それもちょうどペンギンハウスに出演者がリハにやってきて、これから本番・・・という時間帯を狙うようにやってくる 「梅雨の戻り」なんだろうけど空の神様はそんなに高円寺のライブハウスがイヤなのか・・・空には雨雲・・・そして「地下」には雷のような音が轟いていた
その音は今日最初の出演者 鼓次郎 の大太鼓の音だ その大太鼓はペンギンハウスの入り口をやった入れられるくらいのでかさがある 今日はこの大太鼓と中太鼓(?)の2つだけというシンプルなセットだったが、そこは鼓次郎
今回はマイクで拾った大太鼓の音にエフェクトやイコライザーをかまして独得な不思議な音を作り出していた それはもうとても「和太鼓」という枠の中からははみ出しているのだが、若い彼はとにかく意欲的に新しいことに挑戦し続ける
あと、今日は珍しく長めのMCをやったが、それは先日の選挙の結果をうけて今の若者である彼が抱えている「危機感」をとても率直に真面目に語る・・・ほとんどアジ演説に近かったが・・・「それは音楽の世界にも通じる」という彼の意見には僕も大いに賛成だ まっすぐ振り上げたバチ
それは雨を降らす空だけでなく、どうしようもないこの時代に向けているように見えた
2番目の演奏者で空気はがらっと変る g/vo ,b ,dsの3人編成のユニット 吐息 の登場だ
フランジャーやリバーブやディレイそれにトレモロアームをうまく組み合わせたギターサウンドはなんか大きな海の上をゆらゆら漂っているようでもあり、そこにまたちょっとゼイタクなジェラートのように甘くて気持ちのいいボーカルが乗っかっている
なんか僕が家に帰ってからよく見ているケーブルテレビの「旅チャンネル」の「ハワイ特集」の画像を見ているときのような気分にさせてくれる なんかハワイの夕暮れを見てるみたいだ・・・ハワイには行ったことないけど・・・というより海外はおろか飛行機も乗ったことのない僕だ(笑)
そのボーカルの彼も今日はやはり選挙の話をちょっとしていたな 今回の選挙、けっこう皆にインパクト与えたみたいだね まあ終わっちゃったからじゃしょうがないんだけどねえ
さてさて、ハワイの次はもっと東かな・・・山中ヒデ之率いるエソギエは彼のバリトンサックスの重量感のある音にパーカッションも入った豪華なリズムセクションがかなりラテンの匂いのする演奏で会場を盛り上げる いつの間にか僕らはカリブの海岸に紛れ込んでしまったようだ ティンパレスの甲高い音はもう聴いてるだけで「モヒート」でも飲みたくなってくる パーカッションスコール!いやあ夏だねえ
すっかりリゾート気分で浮かれていた皆の心がピアノの音ではっとわれに帰る
ラストはソロピアニストの石田幹雄だ
全くの生のピアノの音が最初はちょっとざわめきの残る店の中に潜りこむように広がりやがてザアーッ・・・と波のようにすべてを飲み込んでゆく
石田幹雄の演奏は美しさと激しさが本当にいつも同じくらい含まれているそのどちらかが時に優勢になっても消えることはないのだろう
ひたすら「そこ」に居てピアノとの対話/格闘/問答/修行を突き詰める
そういえば彼の演奏を聴くのは本当に久しぶりだ ちょっともやっとしていた心の雲が晴れたような気がする 外へ出てみた 雨はあがっていた
高円寺ライブハウス ペンギンハウス