「するってえとご隠居さんは”ライブハウス”ってとこに行ったことあるんですか?」
「ああ、俺の若い頃にゃあちこちにあってな よく行ったもんだよ」
「で、ライブハウスってのはどんなとこだったんですか」
「そうだなあ、広さは色々あったが中に入ると客席と”ステージ”っていうのがあるんだよ」
「ステージって何ですか?」
「ステージってのは客席から見える正面にあって そこに”ミュージシャン”てのが上がって生で演奏をするんだよ」
「へ~え、人間が生で音楽なんかやってたんですか~」
「そうだよ 楽器ていうものを持ったりしてな」
「楽器って何ですか?」
「なんだい、そんなことも知らないのか 今の若いもんはまったくなあ・・・”楽器”ってのはなあ音を出す道具なんだよ たとえば”ギター”っていうのがあってな 穴の開いた木の箱に”ネック”っていう木の棒みたいのが付いててそこに”弦”ていう金属の細い線が6本・・・だったかな 張ってあるんだ その弦をこうはじいたりするとその箱から音が出るんだよ」
「え、そこから音が出ちゃうんですか? でも、そんなものを聴いて何が楽しいんですかね」
「だから今の若いものはイヤなんだ!いいかい、ライブってものはなあ・・・・」
”志ん生”の廓噺を聞いてたらふとこんなネタが浮かんだ
でも本当にあと何十年もしたらこんな会話が交わされてる時代が来るかもしれない
来ないで・・・ほしいけど
高円寺ライブハウス ペンギンハウス