雨の日曜日・・・足元の悪い中来ていただいた皆さん・・・ありがとうございました！
こんな日に外になんか出たくないよね～ それなのに足を運んでくださる・・・
そういう”奇特”な皆さんのお陰でペンギンハウスもなんとかやっていけるわけで・・・感謝！感謝！
でも、それにはやっぱり演奏する側にひきつけるものがあるからだよねえ 今日の出演者５組・・・みんなよかったなあ
最初の演奏者は 遠藤バンド p ,wb ,dsの３リズムになんと２人のフルート奏者！ 組み合わせとしてはちょっと難しいんじゃないの・・・ところが、ところが・・・だ！ 阿部と江木というご両人
この２人のフルート奏者がまた個性がまったく違ってルックスも違えば出す音も全然違うんだ
同じ楽器なのに出てくる音がまったく違う フルートって楽器ってその人間がそのまま出てしまうのかねえ・・・いやあ、なんかスリリングで面白いライブだった いい”ダンモ”だった
２番目の出演者はペンギンハウス初登場ユニット 太平天国 の登場 横道裕明（vo） ,山下格司（g/cho） ,秋山孝（acco/cho） ,中瀬久幸（b/cho） ,吉藤ケン（ds/cho） の５人ユニット アコースティックなサウンドでTexMexを中心に聴かせるのだが、このサウンドがまあゴキゲン！
判りやすく言えば「ライ・クーダー」の「チキン･スキン･ミュージック」を思い浮かべればほぼ間違いない アコーディオンが入って独特の２ビート・・・これは本当にダンスミュージックだ！
この横道というボーカルがまたいいんだなあ 声の迫力があってまたルックス的にもいいんだよなあ その彼がMCでこう言った 「次の曲は”俺の横に立て！”」 え？何だそれは
演奏が始まり彼が歌いだした 「When the Night・・・」 あ～！「Stand by Me」だったかあ（笑）
さて、盛り上げるだけ盛り上げて前のバンドが下がった後・・・ギターだけ持って一人の演奏者がステージに向かう それはペンギンハウスでは常連の ソラトブ だ
上がるなりMCで「前の太平天国さんが”悪いうた”ばかりやったので僕は”マジメ”な曲をやります」と喋ると客席から”どっ”と笑いが・・・そういえば「浮気の歌です」とか「ヘロイン中毒の男のうた」とか・・・そんな曲紹介ばかりだったなあ（笑）
じゃあソラトブがお堅い曲ばっかりやるのかといえばそうでもない 彼独特の”ウィット”と軽妙さを含んだ曲は軽いが洒脱なところが持ち味だ
例によってイコライジングを無茶苦茶かけてフレンジャーなどでとても「この世のものではない」ようなボイスで歌う彼の曲はある意味で「人を食ってる」なあ
そして、今日は演奏中に不思議なツールを持ち出して音を出す・・・黄色い小さな・・・なんだありゃ？ 鳥のような形で「ミョ～～ッ」という怪しげな音 どこかのメーカーが出した新しいサンプラーかな・・・と思ってたら”種明かし” 「これはマクドナルドの景品で子供から借りてきました」そうかあ！
そして最後の曲はお馴染みの「オ～レ～ンジ～・・・と青と白・・・」この叙情的な歌が僕は好きだ
これは夕暮れの沈み行く太陽とその色彩の移り変りを歌った曲だ 綺麗な夕暮れ・・・でも、今日は生憎の雨天 それはしょうがない 「雨天率８０％」を誇る 彼はすごい「雨男」なのだ！
次には２人組のユニット 山村暮鳥を歌う が登場する メンバーは大野慎矢（vo/p）と菅原雄大（violin/cello） 彼らは大正時代の詩人「山村暮鳥」や「大手拓次」などの詩を中心に取り上げてそれに曲をつけて歌う
じゃあ”大正ロマン”とか好きなのか・・・と思ったら大野がMCで「大正ロマンとかは大嫌いだ！」と言っていたので「なるほど」と思ってしまった いつの時代にも「詩人」ってマイノリティーの代表みたいなところに居るもんねえ そういえば昭和の「マイノリティー」を代表していた詩人「金子光晴」の「真空にあこがれる」という詩を歌ってたけど、いやあさすが”反骨詩人”・・・言葉が尖っていてこれは平成の時代にも十分な”毒気”を持ち続けてるなあ
そして最後に登場するのはジャズ系ユニット 中川グループ 編成はg ,b ,ds ,ts ,tbの４人編成だ
ジャズ系・・・と言っても彼らの演奏する曲はすべてオリジナル そこらへんがいわゆる「ジャズバンド」とはちょっと違う そして主な曲はリーダーの中川が作るのだが、その曲調はもうほとんど「プログレ」や「フリージャズ」のようなものからすごく親しみ易い「４ビート」それも限りなくポピュラリティーのあるものまで・・・実に幅広い！
今日演奏した中川のオリジナルの「ネコネココネコ」なんて曲は本当に一緒に歌いたくなるようなメロディーだったなあ～
それを客席で楽しそうに観ている遠藤バンドのエンドウさん・・・いいねえ
世代も大きく跨って今日のペンギンハウスはいい音楽リレーが行われていた
そして・・・いつの間にか雨も あがっていた
