さて、その拾ったギターGEMSONだが・・・
まずクリーナーで汚れをきれいに落とし、弦をはずす作業から始める
ところどころ”煤けた”ようにはなってたがクリーナーを吹き付けウェスでふき取ってみるとなかなかの”美品”であることがわかった 特に目立つような傷はなくピックガ-ドのところも楽器店で普通に「新品」としておいてあるものとそう変わらない
ボディー裏側・・・ここはライブなどで使い込んでいるとズボンのベルトのバックルなどが当たって大抵は傷だらけになるのだが、そういうキズもない どうもライブなどではほとんど使ってなかったようだ フレットの磨り減り具合なんかも目立つものはなく、まあほとんど弾いてなかったんだろうなあ
反面、ネックの反りは烈しい 測ってみると12フレットのところでフレットと弦の下側の間で3.7ミリも開いている 通常は2.5~3.0ミリくらい、僕のSAKATAは低めで2.4ミリだ(写真右)
弦をはずす これはもう先から根元まで万遍なくギシギシに錆び切っていて、かなりの長期で張りっぱなしだったのが伺える
すると、さっきまでかなり”反って”いたネックがずいぶんと戻っている・・・てことはこのネック自体がかなり軟弱な素材でできている可能性が強い
通常、ギターのネックはマホガニーとかメイプルとかかなり剛性の強い材料でできてるんだけど、こういう「廉価版」には「赤ラワン」などを使ったりするので・・・そういうものかも知れない
ただもっと「問題」なのはネックの反りよりもブリッジへの角度だ
ようく見るとフィンガーボード表面の延長線上からかなり上がったところにブリッジの上面がある 正常な場合この2面がほぼ同じ高さに並んでなければいけないのだけど・・・
これは最初の組み立ての時点でネックの角度を「起きた」設定で取り付けてしまうことか、ボディーの変形でブリッジが持ち上がった状態になるかのどちらかなのだが(ビンテージのギターにこういうことが多い)このギターは”後者”のようで、ビンテージではないのにこういうことが起きるのはやはり材料が軟弱なのかブレイシングがいい加減だからなんだろう
見るとブリッジのサドルはかなり低めになっていて、最初からこうなのか反りに対応して低く削り直したのかは不明だけど・・・これはけっこうメンドウな状態だなあ
高円寺ライブハウス ペンギンハウス