インプロな夜    30日

いやあ、今日のライブは面白かったなあ

個性が強いミュージシャンたちがいつも出ているペンギンハウスだが、今日はまあ・・・すごかったよ

今日最初の演奏者は「ここ掘れ、わん!わん!わん!」というユニット 狩俣道夫(fl)柳家小春(三味線)細田茂美(g)の3人だ この三味線が入った音ってどうなんだろう・・・そう思ってたがこれがまた面白いサウンドになっていた 柳家小春という人は以前「高円寺演芸まつり」というイベントで寄席芸の演者として出ていたのを見たことがあるが、このユニットに居ると素晴らしいインプロプレイヤーとなる 彼女の三味線それにボイス、狩俣の「ホーミー」がそれに絡みそこに細田のアバンギャルドなギターが加わると・・・これは面白い演奏だったねえ 今日は最初からすごいわあ!

2番目は照内央晴(p)とクリタチカコ(dance)のユニット 照内のピアノサウンドに乗ってクリタが踊る・・・こういうパターンは他にもあるが、前半はそのパターン 照内の音が音符になってステージを飛び交う その粒子がクリタをまるでマリオネットのように踊らせる・・・ピアノサウンドに翻弄される人形 そして後半はその人形の反撃が始まる ステージ脇に座って何やら不思議な「装置」を身につける・・・なんだろう?ショルダーバッグの中に入れた機械、そしてそこから伸びたコードを両足に装着 なんだ?まるでサイボーグのような・・・そしてマリオネットは動きはじめる

するとその動きにつれてまるで「テルミン」のように不思議な電子音が出てきた 動く人形が発するサウンド それはピアノの音に宣戦布告を送る そこからまたなんとも不思議なサウンドと動きのパフォーマンス

いやあ、面白かった! あの「装置」 なんだろうなあ・・・そう思ってたらひとつ”びっくり”

その装置を製作したのが、なんと僕の古い友人だったのだ!

ここからピアニストが続くのだが 3番目に登場するのは 石田幹雄 だ

今日はカゼを引いていて体調がイマイチと本人は言ってたがピアノの前に座って音をひとつ叩き出すとそこからは「幹雄ワールド」にすぐに入ってしまう

導入部はとてもセンシブで華麗な楽曲だった・・・それがどこから変化してゆくのだろう・・・気がつくとそれは激流のように聴き手もこのスペースも飲み込んでゆく

ピアノもすべても石田幹雄というシェーカーに烈しく振られて別のものに変化してゆくような時間・・・

気がつくといつの間にか演奏は終わっている あれ、何だったのだろう

そして最後の演奏者 ピアニストの三浦陽子 そしてテルミン奏者の賃貸人格 この2人のユニットは今まで何回かこのペンギンハウスでライブをしている 三浦の詞的な深みのあるピアノ、そこに賃貸人格のテルミンとボイスは極めてシュールでアバンギャルドだ 彼女のスキャットというかボイスというか・・・それの持つインパクトと殺傷能力はいつもすごいなあ

言葉がすべての意味をなくしてしまうような現場・・・壊しながら創り続ける・・・この作業に終りはなさそうだね いやあ・・・今日はすごかったなあ 最初から最後まで 終わってもまだ続いているような・・・そんな夜だった

高円寺ライブハウス ペンギンハウス

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