僕の吉祥寺話 16

「メグのお兄さん」・・・そのなんともこそばゆくて居心地の悪い名前に甘んじていた僕についに名前が付けられる日が来た

といってもそれがいつだったかは今となってははっきりとは覚えていない 「いつの間にか」「なんとなく」というのが正しいのだろう 名付け親はぐゎらん堂マスターの村瀬春樹さんだ

春樹さんは従業員やお客にニックネームを付ける達人で(もしかすると春樹さんが名付けたのではない人も混じっているかも知れないが)以下ざっとあげると

「中卒」「チビクロ」「キヨシ」「タカシ」「本屋さん」「ゲタさん」「チュウジ」「スケベ」などなど・・・

ちなみに最後に出てきた「スケベ」は本名を「白石英輔」といい、今では蜷川幸雄などの舞台監督をつとめる演劇界でも名の知れた舞台監督として大活躍している男だから実にありがたくないニックネームなのだけど、昔からの仲間は親しみをこめていまだにこう呼ぶ 「お~い、スケベ~!」 彼も嬉しそうに応える「あいよ~!」

そして春樹さんが僕に付けてくれた名前は・・・その話には”前説”が要る

前にも話したように僕は Jimmie Rodgersが大好きでそのアルバムを何度となく聴いていたが当時ぐゎらん堂にはそのアルバムが一枚もなかった そこで僕は彼のLPを持っては店に行き機会があるごとにしょっちゅうかけてもらってたのだ 特に彼の「Hall of Fame」というアルバムはお気に入りでよく持って行ったなあ これ、今聴いても泣けるよ!

もうおわかりだよね そういうわけでそのレコードが引き金になって僕は「ジミー」と呼ばれるようになったのだよ まあその頃の仲間からは「矢島くん」とも呼ばれてたけどね

とにかくこの時からなのだよ 本当に全然駆け出しのギタリスト&シンガー ジミー矢島が登場したわけね そしてそんな僕になんとギタリストとしてレコーディングに参加ないかというお話が来たのだ

続く

高円寺ライブハウス ペンギンハウス

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