鬼について語る (後)

以前読んだ関祐二という歴史研究者の著書「物部氏の謎」という本に面白いことが書いてあったもののべ

物部氏というのはかつて日本の歴史の創生期に強大な力を持っていた豪族で「大和朝廷」の設立に大きな力を発揮したのだが、その後新興の豪族「藤原氏」との権力闘争にやぶれ歴史から消え去った謎の一族とされている

面白いのはその物部氏の「もの」という呼び名がじつはその当時「オニ」の別称であったということなのだ

さて、ここでクエスチョンです 今も使われてることばのなかで「もの」がつくのがどれくらいあるか・・・

「ものすごい」「ものものしい」「ものおそろしい」「もののけ」「もののふ」・・・まだあるかと思うが、どうですか

これらの言葉に何か共通するものを感じない?ヤマト

そう、なんだかよくわからないけど得体の知れない強力なパワーがあるものを

そしてその「もの」を名称に持っていた「物部氏」というのは実はものすごい戦闘能力や行動力組織力を持っていた「ウォーリアッド」集団だったんじゃないかと・・・僕はそう思うんだよね

そして、それをさらに遡ってゆくと実は日本に元々居た高度な戦闘技術や自然への対応ジョウモン術や運動能力を持っていた部族・・・つまり「縄文人」に辿り着くような気がするのだ

さて、その縄文人だが人種的な特徴を言うと 1)手足が長い 2)体格ががっちりしている 3)顔の彫りが深くて頬骨や額が出ている 4)眼が大きくてぎょろっとしている 5)眉毛や髭など体毛が濃い6)狩猟を得意として肉をよく食う・・・などなど

さて、この特徴を見て何か思い当たらない? そう、それは「オニ」の持ってる特徴にすごくよく似お面ているということだ

そして、もうひとつ 前回で触れたオニが来るという「ウシトラ」の方角・・・それは日本列島のとくに近畿地方から見るとまさに「東北地方」になりそして昔からそこが「蝦夷(えぞ)」と呼ばれ、そこに住む人々のことを大和朝廷は怖れを含めて「蝦夷(えみし)」と呼んでいたこと

それを平定するという「大任」を任された代々国を治める最高責任者に与えられた称号が「征夷大将軍」というのはちゃんとした理由があったのだ

つまり旧くは飛鳥時代にまで遡ってずうっとこの中央権力にあくまでも従わず、かといって権力者たちも彼らの持つ強固な戦闘能力やさまざまな力によって容易に従わせることのできなかった「もの」たちをついには「オニ」とまで称して畏れていたのではないだろうか

さて、現代に戻って考えよう

僕はこの高円寺という街でしばしば「オニ」たちに遭遇している203025

それはギターをかき鳴らしたり、ものすごい勢いでドラムを叩いたり、目をひんむいて絶叫したり・・・今の権力には従わねえぞ・・・と

そう、まだまだこの世の中には「鬼」が必要なのだ

高円寺ライブハウス ペンギンハウス

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