僕の吉祥寺話 47

その話を僕に告げたのは多分朝比奈ヤストだったのだと思うがはっきりはしない もしかすると複数の友人からだったかも知れない

「矢島くんとそっくりなギターを弾く男が関西に居るよ」 という情報だった

その男はあるボーカリストと一緒にレコードを出していた そのレコードは当時かなり話題になったuntitledのだが、タイトルが「ぼちぼちいこか」 演奏していたのが「上田正樹と有山淳司」と言う人たちだった

上田正樹は当時「サウストゥサウス」というR&Bユニットのリーダーもしていて、もちろんその後「悲しい色やねん」という曲で大ブレイクしたシンガーだが、有山はそのバンドの準メンバーという感じだったがこのアルバムでは彼のアコースティックギターを全面的にフューチャーしてそのほかはピアノやドラム、ベースなどが入るくらい そして聴いてみると・・・なるほど、皆がそういうのも無理ない

そのギターはあきらかに「ブラインド・ブレイク」「ビッグビル・ブルーンジー」など僕が大リスペクトするブルースギタリストそっくり・・・ということは僕に似ているのは当然だろう

おまけにそのLPに収録されてた曲・・・一応「オリジナル」とはなってたが「買い物にでも行きまへjo-jiaんか」はあきらかに「Come on In」という曲のパクリ(笑)だったし、元になってるのが僕が当時大好きでよく聴いてた「ジョージア・トム・ドゥーシー」や「タンパ・レッド」のアルバムだというのが判りすぎるくらいにわかってしまう(笑)

とにかく上田のボーカルはさておいてこの有山というギタリストの演奏を聴いて「とうとう現れたかあ~」と思ったものだ

そのしばらく後、江古田にある「武蔵大学」の学園祭に「サウストゥサウス」が出るというので僕は観に行った オープニングアクトはなんと「ウィーピングハープ妹尾」妹尾さんとは後に個人的お付き合いをさせてもらうことになるが、その当時はまったく想定外 「カッコいいなあ~」と客席で観てたよ

さて、サウストゥサウスの演奏は二部構成になっていた 前半がほぼ上田と有山のDUO あの「ぼちぼちいこか」で聴いたそのままの演奏を聴かせてくれた 有山淳司はたしかMartinの 0-18を使ってたけど、ものすごいアタックの強いギターを弾いていてここらへんも僕と似ている・・・いや、あっちのほうが凄かったわ 後半はバンド、こちらはもうノリノリだった

いつかどこかで出会うことあるかなと思ってたけど彼が「春一番コンサート」に出るようになったのとOLYMPUS DIGITAL CAMERA僕が出なくなった時期がちょうど入れ違いで、その後お会いする機会がなかったのだが、今から4年ぐらい前に甲府の「ハーパーズミル」に彼が出演するときいて観に行った

相変わらずあのこれでもかとギターをいたぶるような演奏と、当時から独特のかなりクセのある歌い方は変わっていなかった

ライブ終了後の打ち上げに残った僕は彼のところに行き声をかけた

「お疲れ様でした、はじめてお目にかかりますが僕ジミー矢島といいます」そう言うと生憎彼は僕のありやまことはまったく知らず(そりゃそうだわ)「こいつ何者だ?」という感じで明らかに敬遠されてしまった

ところが、そのあとの飲み会でたまたま来ていた外国人のジプシーギターを弾く男性と僕がセッションを始めたらとたんに彼の目つきが変わった 「お~イエー!」とか言ってたな・・・

そして、帰り際僕が「じゃあ失礼します」と挨拶をするとにこにこ笑ながら「おー、ブラザー!」と言ってハグしてきたのだ(笑) まったく音楽に言葉は要らないよねえ(笑)

続く

高円寺ライブハウス ペンギンハウス

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