あらためて

今年の7月にふたたびアメリカ映画で「ゴジラ」が制作公開されるそうだゴジラ2014

前回の不評だった「GODZILLA」(1998年、僕も観たがゴジラがエイリアンみたいなキャラクターでちょっとホラーのような感じがしたなあ)と違い、ほぼ日本の東宝の第一作「ゴジラ」のプロットを忠実に踏んでいるみたいで・・・ちょっと期待できそう

そんな話もあったので、休みだった昨日 そのオリジナルの「ゴジラ」のDVDを借りて家で見ていた

この作品が作られたのが1954年・・・ちょうど今から60年前で、当時まだ二歳の幼児だった僕は010当然公開時には観てない とにかくそれから何年か経って多分小学生の頃に観たのだろうが、今覚えてるのはなんだか恐ろしかった・・・という印象だ あきらかにその後「正義のヒーロー~アイドル」化していった子供向けのゴジラとはまったく別物だった

そして、改めて今この時代に観た「ゴジラ」・・・うーん、実に深くて重いテーマとメッセージが込められていることを改めて思い知った

この1954年というのはアメリカが南太平洋の「ビキニ環礁」で水爆の核実験を行った年で、そのとき近くにいて被爆した漁船第五福竜丸のことが大きな004ニュースになっていたまさにその時

そして、ゴジラもその核実験のため深い海の底で静かに暮らしていた安住の地を追われ、おまけに身体に放射能が入り込んでしまい、おそるべきエネルギーを持ったモンスターとして地上に現れることになる

だからだろう・・・日本列島に現れたゴジラは深い怒りと常に破壊衝動を抑えられない「破壊神」となってひたすら目の前の全てのものを壊し焼き尽くす003

東京に現れたゴジラが暴れた地帯は新橋~銀座~浅草~深川・・・それはちょうど3月10日にア005メリカ軍が下町を焼き尽くした「東京大空襲」の地域とほぼぴったり重なる

最初にゴジラが出現する架空の島「大戸島」では漁民たちにとっては太古から存在し災いをもたらす「祟り神」として存在していて、日本の古来の神話の「ヤマタノオロチ」などと重なる部分も込められている

そして、最終的にゴジラを倒すためにマッドサイエンティスト(?)の「芹沢」がわが身を犠牲にして使った「オキシジェンデストロイア」という科学兵器は彼をして「水爆より恐ろしい、これを人類に使わせることはできない」とまで言わせるほどの威力を持つのだが、とにかく当時の日本人がまだ太平洋戦争からの傷跡も癒えないのに米ソの2大国がどんどん核を兵器としてエスカレートさせてゆくことへの警告がすごく込められている

あらためて「ゴジラ」とは何なのだろう・・・そう考えるとすごく深いものに行き当たるような気がしてな002らない

あの映画の中で志村喬が演ずる学者がラストシーンで言った台詞

「水爆実験をやめなければ、第二第三のゴジラがきっと現れる・・・」

なんとも深いじゃないですか 「水爆実験」を「原発利用」、「ゴジラ」を「福島第一原発」と置き換えれば・・・ね

それにしても今の日本、あの芹沢のような良心とのジレンマに苦悩する学者がどれだけ居るんだろう・・・そういうことも含めて改めていろいろ考えさせられた映画だった

高円寺ライブハウス ペンギンハウス

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