僕らの北沢話  42

仲田修子が思いついた新しい遊び・・・正確なタイトルはよく思い出せないのだがたしか「白薔薇女学園VS黒薔薇女学園」というような名前が付いていたと思う

どんな内容かというと「ツッパリング」の発展系のようなもので、今度は「白薔薇」「黒薔薇」という2つ9c8b86e6の女子高校のそれぞれスケバンたちが居て対立し抗争する・・・というのを即興演劇の形でやるという・・・それを猫屋敷に居合わせた全員を2つのグループに分けてやったのだ

修子はそれを指導する監督兼プロデューサーのようなことをやっていた

「あんたらあたい達のシマでいい加減なことするんじゃねえよ!」「うるせえ、すっこんでな!」などという台詞のやり取りを狭い店の中で・・・かなり真剣に皆がやるという・・・そんなことをやっていたから・・・ますますお客が来なかった(笑)

もちろんわずかだが「常連」といえるお客も増えてはきていた その顔ぶれはいかにも高円寺、いScan0031かにも猫屋敷・・・と言えそうな個性の強烈な人が多かった

なかでもずば抜けて個性的だったのが「シーさん」だ

シーさんはその当時でもう70に手が届くんじゃないかと言うくらいの高齢者のお客だった 目鼻立ちがすうっとしていつもハンチング帽を被り気さくで愛想がよくて小粋なご隠居さんといった風情だったが、彼には他の人とは違った面があった(右写真前列真ん中がシーさん、右隣修子&亜郎)

それは「女装マニア」だということだ シーさんは高円寺のこういう飲み屋さんではかなり有名だった人で、なんでも「シーさんに気に入られたお店は流行る」という都市伝説のような噂があった

だから僕らもシーさんのことは特別にVIP待遇にしていた 彼が本領を発揮するのは猫屋敷で何かパーティーとかイベントが行われるときだった 大きめな紙袋を持ってくる・・・その中には金髪のカツラやドレスが入っていた 店の隅で着替えをしメイクをするとそこには妖艶なドラーグクイーン「シー子ちゃん」が現れた 当時ディスコなどで流行ってた大きな扇子をひらひら振りながらくねくねと踊るさまはいかにも怪しげ・・・猫屋敷でも本当に人気のアイドルだった

だから修子も次々と色々な遊びを考え出し・・・店にいる全員で女装して駅前のミスタードーナツに乱入する・・・なんてイベントもやったりしていた

そして忘れちゃいけない・・・ライブハウスとしての活動も徐々に進めていったのだ

高円寺ライブハウス ペンギンハウス

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