誰のもの?      4日

まず写真を見てもらいたい この(右の)スチールドブロ・・・いや、正確にはNATIONAL STEELGUITARというがたしか「TRIORIAN」とかいうモデルだったかと思う 色がすごい 最初見たときはてっきり茶色の塗装がしてあるのかと思った 裏を見たら元のグレーのペイントが残っていた 表の色は「サビ」だったのだ かなりの年代ものだ その割にはコンデイションが良くて弾いてみたら実にいい音がする 僕の大好物のギターなのだが さて、これは誰の持ち物か?それはあとで話すことにして今日のライブレポートに行こう

今日のペンギンライブ 最初の出演者は中道圭吾という弾き語りシン
ガーソングライターだ 僕は演奏を聴くたびに彼がちょっと損をしているなと思ってる なんていうか歌い方が素直すぎるのでせっかくメッセージ性をもったいい歌を歌っていても
「誰も顔も姿も覚えちゃ居ないけど誰も教えてくれない 忘れ去られた男が死んだこと・・・」
こんな悲痛な歌詞なのに彼の淡々とした爽やかな歌声がそういう言葉さえ耳当たりのいい曲に勘違いさせるのかもしれない でも彼はマイペースだ どう思われようが自分のやりたいスタイルで自分の歌いたいように歌う これって大事なんだ 中道圭吾の歌は彼にしか歌えない

2番目の出演者は宮崎悟というやはりシンガーソングライターだ マイペースといえば彼のマイペースはまた別の意味ですごい なんというか時間の流れを変えてしまうというか 彼の超ゆったりとした歌い方や喋り方はペンギンの中だろうがどこだろうが時計の針をちょっとだけ遅くするようなところがある そのまったりゆったりとしたギター歌しゃべり・・・それが全部くるまって宮崎悟の世界を作ってる そういえば、前回のライブのとき僕が「ちょっと高田渡に似ている」と書いたがやはり彼は渡に思いを寄せているようで今日歌った「さよならW]はこんな歌詞だ
「荷物をまとめて北の街に行く 僕らの居る場所からは見えないところ コップの底には天国が沈んでいる 君はずっとずっと大人だったんだ(中略)さよならWつまらない世界で 君は最高にイカシた友達だった」 高田渡が死んだ日の夜、彼の家に集まった多くの友人たち・・・僕もそこに居た

3番目の出演者はここに木下徹trioというユニットでも出演している木下とその奥さんが組んでいるその名もそのまんま嫁とDUOというユニット いつも破壊的なくらいすごいエレキギターを弾く木下が一貫してリズムだけのアコギを弾きまくりそのサウンドに乗ってヨメが歌う シャウトする 彼女の歌い方はもう本当に最初から最後まで叫びっぱなし それがまたアクションを含めて本当に気持ちよく弾ける ぽんぽんと・・・まるでポップコーンみたいだ それを横で本当に嬉しそうな顔でにこにこ笑いながら亭主がギターを弾く ああ、夫婦のユニットでもこんなにあからさまに仲のいいのは見たことがないかも なんだか見てるこちらも楽しくなってくる ノリのいい演奏でDYLANの曲が別物に聞こえてしまう

盛り上がったペンギンに最後はこの男が登場する 上村秀右 懐には
錆びたNATIONALが抱えられている そう、あのスチールドブロは彼の
ものだったのだ そして一曲目はスライドバーを指に思い切り泥臭いブルース オープンEチューニングとくればあのフレーズが飛び出すよね
「ギャギャギャ/ギャギャギャ/ギャギャギャ/ギャッギャギャ~ギャ」・・・わかるかなあ
NATIONALがじつにいい音を立ててる もうタイ料理にはナンプラー、
ブルースにはNATIONALだよね そのあとはギターを古いGUILD(これもえらい年代物だ)に持ち替えて彼のオリジナルやカバー曲でのステージ オーテイス・レデイングの曲に自分で歌詞をつけて歌ったり 店は大いに盛り上がった アンコールには「イマジン」をこれも自分の歌詞で歌ったがこの詩がよかったなあ 世間はオリンピックのサッカーですっかり皆さんそっちのほうで盛り上がってたようだけど(そういえば勝ったらしいねえ)ペンギンもいいプレイヤーとサポーターで大いに盛り上がったのだ それにこちらはみんな勝者 誰も負けた人がいなかったんだ

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