歌の置き場      5日

今日はなんかえらく涼しかったなあ・・・昼間うっかり半袖で出かけてしまったがちょっと寒かったよ~ 今日5日(月) 曇り空の東京・・・ペンギンハウスライブが始まった

今日最初の演奏者は女性弾き語りシンガー うーたん
そのハイトーンなボーカルで歌われるオリジナルはちょっとロマンチックでちょっとセンチメンタルだ 彼女の曲には動物や自然のことを歌が多いがそれは九州の田園風景が広がる中で育ったという環境から来てるのかも知れない その歌われるのはキリンだったりサルだったりカメだったり・・・いずれに対しても彼女の優しい眼差しがある 豊富にある そしてそんな彼女が今日は初めて披露した曲 タイトルはずばり「戦争はいやだ」 そこには大上段にイデオロギーや政治的テーマを振りかざすのではなく彼女の生きているそこから見たものがストレートに言葉として出てくる

そうなんだ、世界がどれだけ殺伐としていたって「個人」が持ち続ける優しさはそのすべてのものの上にある・・・そう思った
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2番目に登場したのはやはり女性弾き語りシンガー アサダマオ
同じガットギターを抱えてステージに座る・・・しかし彼女の描く切り口はまったく違う断面を見せる

今日はなぜかちょっと「殺気」を感じさせるような眼差しでクールにステージの中央に位置すると言葉を連射するマシンガンのようになる とにかく彼女の曲のなかに押し込められる言葉の量は生半可じゃない 1ステージやると1冊の本を読み終わったような感じだ 言葉がまるで走り続ける電車の車窓から眺めている風景のようにびゅんびゅん飛び去る それに常に寄り添うギターがまたかなり難しいパートをがっちりと受け止めている 時にはボイスパーカッションまで入れて・・・ソロプレイヤーとしてここまでやるのだからすごい・・・本当にすごいのだ
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3番目に登場するのはやはりアコギの弾き語りシンガー 落合謙司

ステージに座りいきなり歌い始めると「青春」という歌詞が何度も出てくる 僕なんかこの言葉を聞くだけで何か気恥ずかしい思いにかられるのだが、この言葉は照れたらダメなんだろう まったく照れずにそれも心から歌う彼を見ているとちょっと眩しいような気になる

どことなく「ダメダメ感」があって下町的親しみがあるキャラクターの彼を見ているとふと1980年代の歌謡ポップのことを思い浮べた まだ家庭のお茶の間のテレビに普通に歌が流されていた時代・・・アイドルをブラウン管ごしにでも意外と身近に感じていた時代 映し出される歌手の額に浮かぶ汗やちょっとナーバスになってる顔など・・・そういうものがいつの間にか自分達の前から消えてしまった今・・・彼の演奏を見ていてふとそんなものを思い出していた
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そして今日最後に登場するのはやはり弾き語りのシンガー 荒清誠

それまでの熱気を孕んだペンギンハウスの空気の中に粛々と夜を懐に忍ばせて彼はステージに上がる

いつものように枯れきったギターがスライドですすり泣く そして言葉数は少ないが彼の歌が客席に流れてゆく

ブルースは元々言葉少ない音楽だ 寡黙な男は言葉で語るよりはギターを鳴らす

ギターは言葉より饒舌に語る 男の呟き・・・「恨んでも愛してくれるか・・・」

それに対してギターが吠える ・・・その言葉に男は小さく頷く 「そうだよな」

そして今日アンコールを受けた彼が歌ったのは今しがた出来たばかりの曲・・・それは20年前に一緒に音楽をやっていた仲間へのメッセージだった やはり寡黙に・・・しかし少ない言葉がたくさんのものを伝えていた

今夜・・・ふと思ったのは「歌の置き場」ということだ あなたの目の前にちょうどいい歌が・・・ありますか
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高円寺ライブハウス ペンギンハウス

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