こんな日は   9日

こんな日は、ああだこうだ能書きを言う気にちっともなれない 最高のセレクトで最高の演奏者たちが揃った そうなりゃどうなるかは言うまでもないだろう
今日は5組が登場した どれをとってもひけをとらない演奏者たちだ 最初の演奏者はペンマス亜郎が率いる俳句&音楽ユニット生半可だ 今日のリハで僕は演奏担当のショウタロウ&カナミたちと主にサウンドの音色面で綿密に打ち合わせリハをした アロウは「爆音でやってくれ」と言ってたそうだが同じ爆音でも耳に痛くないようにとにかく俳句の言葉がはっきり聞き取れるように楽器の音を少し丸めにすることにした そして本番・・・うんうん言葉がしっかりはっきり聞き取れる 作戦は成功!今回の俳句はやはり秋の季語を使ったものばかりだった でもそれをじっくり味わってるヒマはなかった マスターがカウンターに居ない・・・僕はPAとドリンクを掛け持ちしてたのだ

その次はもうなんと藤原愛の出番だ スキンヘッドもすっかり板に付いた愛・・・今夜の一曲目はいきなりインパクト大の「故郷」からだ おお!気合入ってるなあ・・・と思ったら2曲目からはわりとゆったりとした歌が続く 今夜の藤原愛はちょっとアンニュイな歌い方だ そういう歌い方で新曲?かな 「冬眠」という曲はなんか歌い方が艶かしかった 店中はもちろん水を打ったようにしーんと聞き入ってる そして後半にはもうお約束のようになった「ヨッパライ帰り道」そして最後にやった曲も僕は始めて聞くけどいい曲だった 終わるともう割れるばかりの拍手 当然だよな!

藤原愛が激しさを含みながらも柔らかく密やかな世界を創り上げて下がったステージに今度は真反対のような人物が登場する 演奏してなけりゃただの挙動不審者(笑)・・・西山正規は登場するなりもういきなりオーバートップレベルだ 少しもじっとはしていない 動く!はねる!叫ぶ!そしてギターを弾く! 彼にかかればロマンテイックなはずのラブソングだって激動の大波に乗っかってやってくる 写真はすべてブレる!しかしこんなに烈しく動いて演奏するソロアーテイストはペンギンでもなかなかいない この爆音のギターは最後には全員をハイテンションにしてしまう こんなやつは他にはいないよ!ブギ~!ブギ~!!もうひとつブギイ~~!!

そしてその次はまた真逆な世界を持ってる・・・どちらかといえば藤原愛に近いような密やかな表現を得意とするひひひのひが登場した ところが、今夜の彼はなんだかすごくテンションが高い 音もだが動きが烈しい これはもしかするとその前のニシヤマに刺激受けたかな?それとも他の原因があるのかな・・・そんなことを考えながらオペレートしていたが、今夜の彼がそれを望むならいいとも!協力しちゃおう ちょっとギターアンプのフェーダーを上げて 今まで一回も使わなかったリバーブ入れちゃうぞ! オッ、初めて聴くギターサウンドだ ひひひのひはひひ・・・いや日々変化している 終了後彼にこっそり聞いてみた 「もしかしてニシヤンの刺激?」「ふふふ」笑いながら彼は「だって、前にあんなすごいギター弾かれちゃあね」 これがギタリストの性だよね(笑)

さて、横綱級が揃った今夜のオオトリはこの人だ 天才ピアニスト石田幹雄 そして今夜はスペシャルゲストでちょうど日本公演の合間だというフランス人のギタリストYann Pittardを迎えての演奏だった このヤンというギタリストがまたすごかった 石田幹雄のあのミクロからマクロまで縦横無尽な演奏表現に本当にぴったりシンクロするような演奏 それに加えてなんかすごくユーモラスな表現も持ってて・・・なんだろう、やっぱりラテン系の血なんだろうか フリージャズがこんなに楽しいものだとは・・・ちょっとびっくりだ 途中ギターの音がアンプから出なくなるというハプニングにも生音で演奏してこなしてしまう そして、最後のアンコールではスキャットよいうかなんだかクラシックの歌曲のような演奏で本当、この二人の演奏は最高に素晴らしかった 素敵なメンバーばかりの夜は終演後もまだまだ熱が冷めない 僕のブログもなかなか進まない もう1時を過ぎてる

・・・こうして高円寺ライブハウスの夜はふけていった・・・

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