仲田修子話  14

それは夕暮れ過ぎた頃・・・同じ商店街を7~8分歩いた先に不思議なエリアがあった

道を挟むように何件かの建物があった その建物の軒先には裸電球に赤や緑や紫などのセロハンを巻いた色とりどりの電飾が飾られていて、そしてその電飾にも負けないくらいに派手な化粧をした和服や洋服を着た大勢の女性が通りに立っていた 明らかにそこらに居る女の人とは違う・・・そういう風体の女性が夜になるとそのあたりに現れるのだ

彼女たちは一体何のためにそこに居るのか まだ小学生だった修子にはわかるはずも無かった ただその辺りを大人の男性が通りかかると突然彼女たちは動き出す

何人もでその男性を取り囲み、ああだこうだ言いながらしまいにはその辺りにある建物のどこかにその男性は無理やり拉致され連れ込まれるのだ

修子は思った

「みんな腕力も有りそうな大人の男の人だ・・・必死で抵抗すれば逃げられると思うけど、なぜ捕まってしまうのだろう?」

それは夜な夜な繰り返されていた光景で、なんとなくゲームの世界のようなその不思議なその有様を見たさにわざわざ家から遠い肉屋へ出かけていた修子だった

そしてある日・・・それは3月3日の「ひな祭り」の日だった

「ねえ、今日私の家に遊びに来ない?」

そう修子に声をかけたのは同じ小学校の同じ学年のしかし別のクラスにいる少女だった 彼女とは別に友達ではなく、顔を知っているといった程度だったので修子は「なんでわたしに声をかけるんだろう」とちょっと不思議な気持ちになったが、言われるままそのあとについて行った

その少女は見た目はまあまあ可愛いほうだったがけっこう気が強く、前にほかの女児と喧嘩をしてるのを目撃したこともあった

少女の家は彼女の家から歩いて7~8分くらいのところにあった あの修子がよく通っていた夜になると不思議なことが起きるその一帯の中

「ここよ」

一軒の建物の前に来ると少女は修子をそこに案内した その建物は古めかしくものすごく大きく造りも普通の家とはかなり違っていた それを見たとき子供心ながら「ここは普通の家ではない」・・・修子はそう思った

高円寺ライブハウス ペンギンハウス

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