旧品川宿の町並みは所々レトロな雰囲気を持った建物もあったが、大概はもう今風の外観になっていた
しかしその建物はまるで昭和・・・いやそれ以前の時代にタイムスリップしたような姿だった 日除けのテントを取り払えば明治か江戸時代にあってもおかしくない 二階の手すりにはこういう表示が・・・「丸屋」
そう、ここが修子が言っていた目印となる建物で商売は「履物屋」 下駄や草履、雪駄などが並べられ店の奥ではこの屋のご主人らしき職人さんが何かを作っていた
「その下駄屋の右の露地を入っていった奥がわたしの育った家があったところなんだよ」
そう修子に聞かされていたのでその露地を探してみた ところがそれらしき所は隣の建物がすぐ横に迫ってきていて人間1人がやっと通れるくらいの幅 明らかに「公道」ではなさそう・・・ちょっと入って行くのがはばかれるような雰囲気だったので僕はそこへ行くのを諦めた
あとでこの写真を見せると
「そうそう、この場所 でも当時はもっと広くてちゃんとした道になってた 多分隣の建物が増築かなんかして道が無くなっちゃったんだろうね」 と修子は語った
そう・・・以前修子がここを訪れたのがもう今から20年近く前 そのときはまだ残っていた道も消え、もしこの「丸屋」も廃業して新しい建物になったりしたらもうどこがどこだったのかさえ判らなくなるのかも知れない・・・この建物だけは残っていてほしい・・・そう思いながら僕は品川をあとにした
さて、いよいよ次回からは仲田修子の中学生時代の話に移ります
そして彼女の人生を劇的に変える大事件が・・・
その話までちょっとここでブレイクタイム 次回をお楽しみに ジミー矢島
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