ギターギター 39

さて、アパラチア地方を中心としたオールドタイム&マウンテンミュージックに魅了されてた私ですが、その間も常にそれらの音楽の奥にちらちら見え隠れする黒人音楽・・・つまり「ブルース」への興味が高まっていきました。
「ブルースって何なんだろう?」そういう関心がどんどん膨れ上がってゆくのを止めることは出来ず、そしてレコード店へと足を運びました 当時(71~72年頃)はまだ日本で「ブルースブーム」は始まっておらず本場のブルースの音源を手に入れるのもなかなか難しかったです 今のようにかなり無名なブルースマンの演奏がYOUTUBEでいくらでも見られるなんて夢にも思えなかった時代、吉祥寺にあった「山野楽器」のレコード売り場(ここはその当時、なぜかカントリー系のレコードは多かった)に何枚かあった中から私が選んだ最初の1枚は
「ブルース・アト・ニューポート」というオムニバスのライブアルバムでした


そのジャケットの写真が格好良かった!
野外ステージでギターを抱えて演奏中のブルースマンの背中が見えてその向こうにはステージを見つめる観客達の顔が映っていて、その場の雰囲気が伝わって来そう・・・これを買い求めすぐに家に戻りレコードプレイヤーの針を落としました そこから聞こえてきたのは今まで自分が経験してこなかった世界の音でした
うまく説明するのが難しいのですが、何か時間が今まで経験してこなかった流れ方で流れてゆくような・・・うーん、うまく言えない(笑)
そのアルバムには6組のアーティストが収められていました
「ミシシッピ・ジョン・ハートMississippi John Hurt」「エリザベス・コットンElizabeth Cotton」「スキップ・ジェイムスSkip James」「スリーピー・ジョン・エスティスSleepy John Estis」「ロバート・ピート・ウィリアムスRobert Pete Williams」「ジョー・パターソンJoe Patterson」
この中の「ジョー・パターソン」はブルースではなく「クイル」という民族楽器(パンパイプ、あるいはアンデスの「サンポーニャ」に似ている)を吹いて歌う黒人の民謡歌手でしたが、その不思議な音色はなかなか魅力的でした
そして、この中でも最初に登場したミシシッピジョンハートに私はまず魅せられました
その演奏が・・・こんな感じです

後になってもっとブルースのことが解ってくると彼はブルースマンではなく、黒人のフォークシンガー「ソングスターター」だったと分かったのですが、でもいくら白人のようなスタイルで弾いて歌ってもやはりこの人の持ってる「黒人らしさ」は決して薄まりはしてませんでした
黒人のギタリストで私の最初のヒーローになったのは矢張り彼でした

高円寺ライブハウス ペンギンハウス

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