訃報 妹尾隆一郎 (前)

加川良、遠藤賢司と今年は僕にとっても思い出のあるミュージシャンが亡くなっていくら何でももう無いだろう・・・そう思ったらまたまた訃報が飛び込んできてしまった。


妹尾隆一郎・・・「ウィーピングハープ妹尾」として日本のブルースハーピストの第一人者で日本のブルースシーンをずっと担ってきたが、先日12月17日に亡くなられたという。
つい先月に高円寺の次郎吉で「復活ライブ」をやられて元気そうだったという話を聞いてたので、にわかには信じられなかった。このニュースを知ったのはFacebookで長年の盟友の西濱哲男さんの書き込みだった。
妹尾さんとは多くの想い出がある。

僕が初めてウィーピングハープ妹尾の演奏を観たのはまだ学生時代、江古田の武蔵大学の学園祭に「上田正樹とサウストゥサウス」のライブを観に行ったときで、そのオープニングアクトで妹尾バンド(多分ローラーコースターだったと思う)が演奏したのだった。もうハープがめちゃ上手くて格好良かった。この人凄いわ・・・そう思ったけど、まさかその後ご一緒させてもらうことになるとは考えもしてなかった。


初めてお会いしたのは確か八ヶ岳だったかな。小淵沢にある「月下草舎」というペンションで妹尾さんとやはり今は亡きギタリストの塩次伸二さんのバンドがライブをするというので、当時僕が加わっていたバンドがそのオープニングアクトを務めたのだ。
僕らが演奏していると妹尾さんがいきなりハープを持って飛び入り参加してくれたのだ。噂には聞いてたけど本当に気さくでまったく気取ったり偉ぶったりしない方だった。そのすぐ後に当時僕が吉祥寺でやっていた蕎麦屋「からまつ亭」にふらっと遊びに来てくれて、それ以来親しくお付き合いさせてもらってた。彼のハープはとてつもないほどパワフルで表現力があって、他のどのハーピストにも無いものがあった。

こんな話がある。ある日たまたまからまつ亭に来てたお客が学生時代に同じ音楽サークルで妹尾さんの後輩だったというのだが、その人がこんなことを言っていた。
「合宿に皆で行ったとき、皆で食事をしていると妹尾さんが味噌汁を口でプーッと吹いたんですよ。するとまるでストローで吹いたかのように味噌汁の真ん中のところだけがポコッとへこむんですよ!」つまりそれだけピンポイントで一カ所に息を吹き込むことが出来た・・・だからあんな風に吹けたのか・・・でもそれってまるで都市伝説のような話だったので、その次に妹尾さんとお会いしたときに訊いてみた「妹尾さんの後輩だったという方がこんなことを言ってたのですが・・・」
するとそれに対してどうってこと無いというような顔で彼が答えた
「ああ、ほんまやで」
その後、色々なところでご一緒させてもらった、。吉祥寺の駅前で開催されてた音楽祭では当時僕が組んでいたバンド「からまつ楽団」と妹尾さんが西濱さんと組んでいた「BluesFile」と対バンしたこともある。そのときにステージに居た僕らの所に「おーい、ジミー!」と大声を出しながら駆け寄ってきた彼を見て「可愛い人だな」と思ったことを覚えてる。

その後も八ヶ岳の原村にあるペンションで妹尾さんが彼のハープ教室の生徒さんたちと合宿をやってる所へそば打ちに行ってそのときに、蕎麦を切る時のリズムがシャッフルに近いのに気づいてた僕が妹尾さんに頼んで蕎麦打ちとハープでセッションしたり、そのあと2人でミニライブをやったことも楽しい想い出だ。

高円寺ライブハウス ペンギンハウス

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