最初の頃、私は正直言ってジャンゴ・ラインハルトにはまったく興味が湧きませんでした よく通っていた吉祥寺の「ぐゎらん堂」でもたまにかかっていて、聞いてはいましたがそれが「ジャズ」だといわれてもぴんと来ませんでした
それにはいくつかの訳がありました まずはその演奏スタイル 通常のジャズバンドには必ずあると言ってもいいピアノやドラムといった楽器はほとんど入っていません 管楽器もたまにクラリネットが入るくらい そしてバンド編成はウッドベースにアコースティックのリズムギターが2本(多いときは3本) アメリカのジャズではあまりメインではないバイオリンがギターと役割を2分している・・・そしてそのサウンドの中に強く漂っている東ヨーロッパやロマ民族の香り
そしてギターも妙でした 一般にジャズで使われていたfホールのピックギターではなくなんだか楕円形ややたら小さなサウンドホールの付いた・・・それは「マカフェリ」と呼ばれていました
本当に妙なギターなんです フラトトップなのにピックギターのようなブリッジにテイルピース、そしてこの時代からすでにボディーには「カッタウェイ」が施されていました 音色も何だか軽くて芯があまり無い感じ
だのに弾くとまるでエレキギターのような音がする・・・このギターサウンドがなんといっても最も彼らのサウンドの特徴を形作っていました このマカフェリタイプのギターは現在でも製造されています 一時は衰退してたのですが、最近になって「ジプシージャズ」の人気が高まってこのギターを求めるプレイヤーが増えてきたからです こんな音です
高円寺ライブハウス ペンギンハウス