僕らの住んでいたところは東西線の「浦安駅」から南へ歩いて15分ぐらいのところ・・・そうそう、当時はまだ「京葉線」は通ってなくて「ディズニーランド」へ行く人たちはそこからバスで行くようになっていた そのため、当時の浦安の駅前は土日にはかなり活気があった
ただ、駅のすぐ裏には大きな魚市場があったし、駅前の商店街には安くて美味しい魚料理を食わせる居酒屋があったり、回転店の値段で本格的ネタを出す寿司屋もあった
僕らのアパートは木造二階建ての二階で下は大家さん 大家さんは元々漁師だったようで、たまに「貝むき」の仕事をやっていて、そう言う時にはアパートの前にすごい量の貝殻が山積みになっていた
アパートから歩いてすぐのところを新しい広い道路が通っていて、そこを渡るとその手前のいかにも下町風というか漁村風の景色だったのが急に近未来年のように変わる
そこが昔の海岸線だったのだ
アパートの僕らの部屋の窓は南を向いていて開けるとかすかに潮の香りのするぬるい風が入ってきた 僕がずうっと住んでいた東京の山の手や多摩とはあきらかに気候が違っていた
夏になると夜には毎晩ずうっと遠くにあるディズニーランドで打ち上げた花火が見えた
物価も家賃も安く暮らしやすい環境・・・ただ、ひとつだけ困ったことがあった