僕の八ヶ岳話 11

その不思議な外観を持つ家の秘密は中に入って明らかになった

階段を上がりドアを開けると広いリビングダイニングがあった その天井は屋根までの吹き抜けになっていて高さが5メートルくらいあった それほど広くない部屋なんだけど、その天井の高さのおかげで見た目は広く感じる

部屋の一隅に梯子があってそれを登ると屋根にけっこう近いが「ロフト」になっていた 床下はだだっ広い収納スペースになっていた

もう典型的なリゾート用の建物だった 上のロフトに登るとそこの窓からはなかなかいい景色が見えた 手前にペンションが並び、そのはるか向こうには「富士山」がちらっと見えていた そう・・・その時は見えたのだ

僕はかみさんを両親に紹介した 2人の反応は「あら、そうなのね」・・・というような実に淡白なもので、彼女がどこの出身でどうやって出会ったのかとか・・・そういう細かいことは一切感心が無かったようだ(笑) とにかく僕の両親の2人とも元々「自分のこと」にしか興味が無い人たちで、それぞれ勝手に自分の話をしている・・・というのが日常で、僕は子供の頃からそれに慣れてるので何とも思わなかったが、かみさんはさすがに「おやおや」という感じを受けたようであとで僕に「あなたの両親て変わってるね!」と感想を言ったが、僕は他所の「親」というものがどういうものか知らなかったので「へ~え、そうなんだ」と思ったぐらいだった

とまれ、高原で過ごす休日はよても居心地が良く楽しかった たしか2日目の夜にはおやじが仕込んで4人で家の庭でバーベキューをした(僕もそうなのだが、おやじはこういうことになると異様に張り切るのだ)

高原の夜・・・風は涼しくそしてカラっとして本当に気持が良かった 遠くの駅前の気狂いじみた喧噪を別にすればなんて居心地のいい場所なんだろう

「こんなところで暮らしたら毎日いい気持ちで過ごせるんだろうなあ・・・」

何も知らない僕は呑気にそんなことを考えていた

あともう一つ・・・僕にショックを与えるほどのことがあったのだ


高円寺ライブハウス ペンギンハウス出演するには?

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