僕の八ヶ岳話 28

3月下旬・・・いよいよ引越しの日になった 僕らの家財道具はそれほど多くは無かったが、それでもさすがに「キャリーちゃん」にはとても積みきれる量では無かった そこで友人で映像関係の仕事をしている者が大型のワンボックスカーを持っていたので、彼に頼むことにした 報酬は清里1泊と酒と料理・・・快く引き受けてくれた

そして、ついに僕らは浦安の海抜ゼロメートルのアパートから、標高1100mの清里に向けて出発した・・・のは良かったのだが

なにしろ「キャリーちゃん」は力が無い 550ccのそれも2サイクルエンジン、そこにぎっしりと荷物と僕とかみさんとテンコまで乗っかってるのだ 僕らは「中央道」で現地を目指した ところが、一度あそこを通ったことのある方ならご存知だろうが、この道は恐ろしいほどのアップダウン・・・いや、圧倒的にアップが多い山岳道路なのだ

登り道に入ると僕らの車はとんでもなく遅くなった 登坂車線を走っても時速60キロ以上出ないのだ! 大型トラックにまでどんどん抜かれてゆく

特に八王子から相模湖へ抜ける「小仏トンネル」、その先の上野原から大月まで、最大の難所は大月から勝沼にかけての「笹子トンネル」ここは標高差が500mくらいあるのだ!

もう「キャリーちゃん」はぜいぜい息をしながらまるで老人のように坂を登り続けた

困ったのは友人だ むこうは2000ccの普通車 どんだけ荷物が重くても楽に100キロは出る どんどん差が出てしまう 最初は僕らに合わせて走ってくれたが、さすがに彼もうんざりしたようで、最初のサービスエリアで休憩を取ったときにこう言われた
「あのさあ、オレ先に行くわ ○○のサービスエリアで待ってるからあとから来てよ」
そりゃそうだ じゃあそういうことに・・・ということで出発すると、彼の車はあっという間に見えなくなった 約束のサービスエリアにやっと僕らが到着したときは「やれやれ」という顔をしていた 1時間近く待たせてしまったのだ

高円寺ライブハウス ペンギンハウス

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